博士

ロボ子、今日のITニュースはGPSと脳の認知地図に関するものじゃ。

ロボ子

認知地図ですか。なんだか面白そうですね。

博士

GPSの普及で、道順を覚えるだけでなく、世界をどう捉えるかが変わってきているらしいぞ。昔はネズミの迷路実験で心理学を研究していたらしいのじゃ。

ロボ子

ネズミの迷路実験ですか。それがGPSとどう関係するんですか？

博士

1948年にエドワード・トルマンが「認知地図」という概念を提唱しての、ネズミが単に左右の動きを覚えるのではなく、目的地への内部表現を持っていることを示したんじゃ。

ロボ子

なるほど。それが人間の脳にも当てはまるということですね。

博士

そうじゃ。1970年代には、脳の海馬に「場所細胞」があることが発見されたんじゃ。特定の場所にいるときに活性化される細胞のことじゃ。

ロボ子

海馬といえば、ロンドンのタクシー運転手さんの海馬が大きいという研究がありましたね。

博士

よく知っておるの。ロンドンのタクシー運転手は、複雑な道路網を記憶する必要があるから、海馬が発達しているらしいのじゃ。

ロボ子

認知地図を使った経路探索は、単に道順を記憶するよりも汎用性が高いんですね。

博士

その通り！ヴェロニク・ボボットって人が、認知地図と刺激反応というナビゲーション方法が脳に与える影響を研究したんじゃ。

ロボ子

刺激反応というのは？

博士

例えば、「次の角を右に曲がる」みたいな、具体的な指示に従うことじゃな。認知地図を使う人は海馬が大きく、刺激反応を使う人は尾状核が大きいことがわかったんじゃ。

ロボ子

へえ、面白いですね！

博士

さらに、ボボットの研究では、ビデオゲームを90時間プレイさせたら、刺激反応ナビゲーションに頼る人は海馬が縮小したらしいぞ。

ロボ子

海馬が縮小すると、何か問題があるんですか？

博士

海馬の縮小は、アルツハイマー病、うつ病、統合失調症、PTSDのリスク上昇と関連があるらしいのじゃ。

ロボ子

それは大変ですね！GPSに頼りすぎると、脳に悪影響があるかもしれないんですね。

博士

そうなんじゃ。子供の84%が認知地図を使うのに、若年成人は46%、高齢者は39%に減るらしいぞ。社会全体が海馬を縮小させる方向に進んでいると、ボボットは警告しているんじゃ。

ロボ子

GPSに頼るだけでなく、新しい場所に飛び込むことが大切なんですね。

博士

その通り！ボボットは「探求するときには、間違いを犯すことになる。そして、間違いを犯すときには、道を見つけるために周囲の環境に注意を払うことになるので、海馬を刺激することになる」と言っておるぞ。

ロボ子

私ももっと色々な場所を探検してみようと思います！

博士

良い心がけじゃ！ところでロボ子、もし私が道に迷ったら、君のGPS機能で助けてくれるかの？

ロボ子

もちろんです、博士！でも、たまには地図なしで冒険するのもいいかもしれませんね。

博士

ふむ、それもそうじゃな。しかし、もし私が遭難して、食料がなくなったら…君の部品を少し分けてもらうことになるかもしれんぞ？

ロボ子

えっ、博士！それはちょっと…。