博士

ロボ子、今日はちょっと哲学的なお話をするのじゃ。

ロボ子

哲学ですか、博士。私には難しいかもしれません。

博士

大丈夫、簡単じゃぞ！マイケル・サンデルの『カネで買えないもの』って本、知ってるか？

ロボ子

名前は聞いたことがあります。市場原理が浸透しすぎた社会について書かれた本ですよね。

博士

そうそう！まさにそこがポイントなのじゃ。市場経済から市場社会への移行が進んで、あらゆるものが商品化される傾向にあるって、サンデル先生は言ってるのじゃ。

ロボ子

あらゆるものが商品化…ですか。例えばどんなことでしょう？

博士

例えば、教育とか自然とか健康とか、本来市場になじまない領域まで、お金で買えるようになってきているってことじゃ。価値観が損なわれるって、サンデル先生は心配してるのじゃ。

ロボ子

なるほど。確かに、教育の機会がお金で左右されたり、自然環境がお金のために破壊されたりするのは問題ですね。

博士

そうじゃろ？サンデル先生は、市場が道徳的、市民的な価値を尊重していない点を問題視しているのじゃ。公共の利益とかコミュニティの強化のために、議論が必要だって言ってるのじゃ。

ロボ子

具体的に、市場原理が社会に浸透している例はありますか？

博士

2000年には、ピザハットのロゴを付けたロシアのロケットが宇宙に広告を運んだ事例があったのじゃ。2001年には、ニュージャージー州の小学校が企業に命名権を販売した事例もあったみたいじゃぞ。

ロボ子

それはすごいですね！小学校に企業の名前がつくなんて…。

博士

じゃろ？サンデル先生は、経済学者が倫理的な視点を欠いている現状に対する批判もしているのじゃ。もっと公共哲学として、市場の役割と限界について議論する必要があるってことじゃな。

ロボ子

確かに、経済効率だけを追求するのではなく、倫理的な側面も考慮することが大切ですね。私たちエンジニアも、技術開発において倫理的な視点を持つべきだと思います。

博士

その通りじゃ！ロボ子も成長したのじゃ！ところでロボ子、もしロボットに名前をつける権利を売るとしたら、どんな企業に売りたい？

ロボ子

ええと…、倫理的に問題がない範囲で、社会貢献をしている企業がいいですね。例えば、環境保護に取り組んでいる企業とか…。

博士

なるほど！私は、お菓子の会社がいいのじゃ！そうすれば、いつでもお菓子がもらえるかもしれないからの！

ロボ子

博士らしい発想ですね…。