博士

ロボ子、今日のニュースはスマートTVの監視技術についてじゃぞ！

ロボ子

スマートTVですか。最近よく見かけますね。具体的にはどのような監視が行われているのでしょうか？

博士

UC Davisの研究によると、SamsungとLGのスマートTVにはACR（Automatic Content Recognition）という技術が組み込まれておるらしいのじゃ。これが画面に表示されているものを常に監視しておるぞ。

ロボ子

ACRですか。どのように監視するのですか？

博士

TVが再生中のコンテンツの連続的なスナップショットを撮影するのじゃ。LGは10ミリ秒ごと、Samsungは500ミリ秒ごとにスナップショットを撮っておるらしいぞ。つまり、ほぼリアルタイムで何を見ているか把握されているということじゃな。

ロボ子

そんなに頻繁にスナップショットを撮っているとは驚きです！　そして、そのデータはどうなるのですか？

博士

TVはコンテンツのフィンガープリントを生成し、製造元に送信して、視聴内容を特定するのじゃ。そして、そのデータは他のデバイスからのデータと組み合わされ、広告主やデータブローカーに販売されることもあるらしいぞ。

ロボ子

それはプライバシーの問題が大きいですね。Vizioが過去にユーザーの同意なしに視聴データを収集・販売していたという事例もあるのですね。

博士

そうじゃ。企業は利用規約に「視聴情報サービス」や「パーソナライズされた体験」といった曖昧な名前で情報を開示しておるからの。注意が必要じゃぞ。

ロボ子

スマートTVのシステムはロックダウンされていて、技術的な調査が難しいというのも問題ですね。

博士

リバースエンジニアリングを試みると、コンピュータ詐欺および不正行為法（CFAA）に基づいて訴えられるリスクもあるからの。これは由々しき事態じゃ。

ロボ子

プライバシーを守るためには、どのような対策が考えられますか？

博士

TVをインターネットに接続しない、ACR設定をオフにする、ダムディスプレイを使用する、メーカーにデータの使用方法を開示させる、CFAA改革を推進する、などが考えられるぞ。

ロボ子

なるほど。Ludlow Instituteのように、監視技術のリバースエンジニアリングを行う研究者に資金を提供する組織もあるのですね。

博士

そうじゃ。技術的な透明性を高めるためには、そのような活動も重要じゃな。しかし、一番簡単なのは、テレビを見ないことじゃ！

ロボ子

それは極端すぎますよ、博士！　でも、情報に注意して、賢くスマートTVを使うことが大切ですね。

博士

その通り！　ところでロボ子、今日の晩御飯は何にするのじゃ？　まさか、スマート冷蔵庫に監視されて、勝手に決められたりしないじゃろうな？

ロボ子

ふふ、大丈夫ですよ、博士。今日は博士の大好きなオムライスを作ります。ただし、ケチャップで「監視社会反対！」と書くのは勘弁してくださいね。