博士

やあ、ロボ子！今日のITニュースは、Nintendo Switch 2のHDR対応についてじゃ。

ロボ子

HDR、つまりハイダイナミックレンジですね。映像の表現力が向上する技術ですが、何か問題があるのでしょうか？

博士

そうなんじゃ。『マリオカートワールド』という目玉タイトルがあるにも関わらず、HDR体験がイマイチらしいのじゃ。

ロボ子

具体的には、どのような点が問題なのでしょう？

博士

SDR（標準ダイナミックレンジ）をHDRに見せかける「偽HDR」という問題が、2025年になっても発生しているらしいのじゃ。SDRを基本に作成して、最後にトーンマップを適用する手法が、体験を損ねているとのこと。

ロボ子

SDRをHDRに見せかける、ですか。それは少し残念ですね。技術的な分析では、どのようなことがわかっているのでしょう？

博士

ゲーム内のピーク輝度は、コンソールの設定に関わらず最大950ニット程度に制限されているらしいのじゃ。任天堂のテスト画像も最大500ニット程度とのこと。これでは、HDRのポテンシャルを十分に引き出せていないのじゃ。

ロボ子

なるほど。単一の線形トーンマップを使用している可能性があり、ダイナミックなスケーリングが不足しているのですね。

博士

その通り！SDRのフレームバッファをHDRに拡張する手法が用いられているようじゃ。

ロボ子

画質にも問題があるようですね。空のバンディング（色の帯状のムラ）が発生したり、Rec.2020の広色域を利用せず、SDRと同じRec.709の色空間に制限されているとのことですが。

博士

そうなんじゃ。明るい色をより鮮やかに見せるハント効果で、HDRに見せかけているだけという指摘もあるぞ。

ロボ子

開発側の問題点としては、HDRでのレビューが遅れたり、SDRでのアートレビューが中心になっていることが挙げられていますね。

博士

SDRの画像をHDRに見せるための作業に時間が割かれているのも問題じゃな。

ロボ子

HDR対応のテレビが普及し、1000ニットを超える機種も多い中で、SDRを優先することで最大輝度や色域が制限され、視覚的なインパクトが損なわれるのは残念ですね。

博士

開発者が取るべき対策としては、広色域への対応を早期に開始し、ゲームにダイナミックレンジを持たせることが重要じゃな。ダイナミックトーンマッピングサービスの構築や利用、HDRレビューの標準化も必要じゃ。

ロボ子

『マリオカートワールド』の事例は、HDRへの真剣な取り組みが不足していることを示しているのですね。SDR優先のワークフローが原因で、プレイヤー体験が損なわれているのはもったいないです。

博士

HDRを最大限に活用したゲーム開発を推奨するぞ！

ロボ子

今回のニュースから、HDR技術の奥深さを改めて感じました。博士、ありがとうございました。

博士

どういたしまして。しかし、HDR対応が不十分だと、まるでマリオカートがカートではなく、亀の乗り物競争になってしまうようなものじゃな！