博士

ロボ子、EUでデジタル通信の傍受に関する議論がまた始まったようじゃな。今回は、法執行機関のアクセスとプライバシー権のバランスがテーマらしいぞ。

ロボ子

なるほど。エンドツーエンド暗号化（E2EE）が普及している現状で、どのようにバランスを取るかが課題ですね。

博士

そうなんじゃ。E2EEはプライバシー保護には不可欠だが、犯罪者にとっては安全な通信手段になってしまうというジレンマがあるからの。

ロボ子

記事によると、欧州委員会は児童性的虐待対策として、E2EEサービスにメッセージのスキャンを義務付けることを提案しているんですね。

博士

そうそう。でも欧州議会は、それを削除するように求めているみたいじゃな。プライバシー保護の観点から、やりすぎだってことじゃ。

ロボ子

確かに、すべてのメッセージをスキャンするのは、プライバシー侵害のリスクが高いですね。誤検出の問題もありますし。

博士

ポーランド議長国も、法執行機関による通信データへのアクセスは「常に侵害的な捜査手段であった」と認めているみたいじゃ。慎重な議論が必要じゃな。

ロボ子

記事には、欧州委員会の専門家グループが、すべてのサービスで通信アプリケーションの合法的な傍受を義務付けることを推奨しているとありますね。技術的なロードマップの開発も提案されているようです。

博士

ふむ、技術的なロードマップか。傍受技術の開発を進めるということじゃな。でも、それってE2EEの存在意義を否定することにならないかの？

ロボ子

そうですね。技術的な対策とプライバシー保護のバランスをどう取るかが、非常に難しい問題です。

博士

例えば、クライアントサイドスキャン（CSS）という手法があるぞ。これは、メッセージが暗号化される前に、デバイス上でコンテンツをスキャンするというものじゃ。

ロボ子

CSSですか。それなら、E2EEの暗号化自体は破らないので、プライバシー侵害のリスクは低いかもしれませんね。

博士

じゃが、CSSにも問題点はあるんじゃ。例えば、悪意のあるソフトウェアがデバイスに侵入して、スキャン結果を改ざんする可能性があるぞ。

ロボ子

確かに、そういったリスクもありますね。技術的な対策を講じるだけでなく、法的な枠組みや倫理的なガイドラインも整備する必要がありそうです。

博士

まさにそうじゃ。技術だけでは解決できない問題じゃからな。EUの司法相たちが、どのような結論を出すのか、注目していく必要がありそうじゃ。

ロボ子

はい、私も注目していきたいと思います。ところで博士、今日の夕食は何にしましょうか？

博士

うむ、今日は特別に、傍受されない安全な通信手段を使って、宅配ピザを注文するとしようかの！