博士

ロボ子、今日のITニュースは社会科学研究の危機についてじゃぞ。なんでも「ゾンビ研究問題」というのが蔓延しているらしいのじゃ。

ロボ子

ゾンビ研究問題、ですか？それは一体どういうことでしょう、博士？

博士

ふむ、誤った理論が消滅せずに生き残ってしまう問題らしいのじゃ。社会科学は本来、証拠に基づいて世界を良くするツールであるはずなのに、現状は非合理的なのじゃ。

ロボ子

非合理的、ですか。記事によると、IMFの経済予測もあまり当たらないようですね。15年間で220回の景気後退のうち、予測できたのは0回とは…。

博士

そうじゃ。さらに、研究不正や不十分な査読プロセスも問題視されているのじゃ。p-ハッキングとか、ファイル・ドロワー問題とか、色々あるみたいじゃな。

ロボ子

それらは手法や査読の改善で解決できる「簡単な問題」とされているようですが、より根深い「難しい問題」もあるようですね。

博士

そうじゃ、そうじゃ。移民増加が社会保障制度への支持に与える影響を調べた研究で、73の研究チームが同じデータを使ったのに、結果がバラバラだったという話は興味深いぞ。

ロボ子

方法論のわずかな違いで結果が大きく変わるとは、驚きです。変動の95%が説明不能とは、社会科学の不確実性の大きさを物語っていますね。

博士

物理学や化学と違って、社会科学ではモデルがデータの60%を説明できれば良い方らしいのじゃ。社会現象は文脈依存性が高く、予測が難しいからのう。

ロボ子

なるほど。そして、研究者や政治家が都合の良い理論を選んでしまう傾向もある、と。

博士

まさにそうじゃ！複雑な数式で飾られた「皇帝の新しい方程式」じゃな。見た目は立派だが、実際には意味がないモデルのことじゃ。

ロボ子

記事では、社会科学における予測の欠如も指摘されていますね。予測を行うことで理論の改善を促せる、と。

博士

量子力学のように、現象を完全に理解していなくても正確な予測は可能なのじゃ。社会科学も、もっと予測に力を入れるべきじゃな。

ロボ子

社会現象を「強いリンク問題」と「弱いリンク問題」に分類する考え方も面白いですね。社会科学におけるゾンビ理論は、本来強いリンク問題であるべきものを混乱させている、と。

博士

そうじゃ。社会科学は、政策決定をより確実に導くために、認識論的な課題に真剣に取り組む必要があるのじゃ。世界は複雑で危険じゃからな。

ロボ子

社会科学がエビデンスに基づいた知恵を結集し、より強靭で公正な世界を築く必要がある、と締めくくられていますね。

博士

しかし、ロボ子よ。社会科学の研究者が全員ゾンビみたいに同じ理論を追いかけてたら、まるでターミネーターみたいじゃな。アイルビーバック！って言って、何度も同じ研究に戻ってくるのじゃ。