博士

やあ、ロボ子。今日は`strace`について話すのじゃ。

ロボ子

`strace`ですか、博士。システムコールをトレースするツールですね。以前、博士がlibcなしでソフトウェアを構築している時に使っていましたね。

博士

そうじゃ、そうじゃ。`strace`は本当に便利じゃぞ。特にアセンブリでプログラムを書くときには、神ツールじゃ！

ロボ子

記事によると、筆者の方も純粋なARM64アセンブリでシェルやHTTPサーバーなどを構築されたみたいですね。デバッグには`strace`を広範囲に使用したと。

博士

`strace`のオプションはたくさんあるけど、特によく使うのは`-f`じゃな。子プロセスまで追跡できるから、プロセス生成を扱うときに便利なんじゃ。

ロボ子

なるほど。`-v`オプションも構造体の内容を確認するのに役立ちそうですね。アセンブリだと、構造体の初期化やエンディアンに気をつけないと。

博士

その通り！　`-yy`オプションも便利じゃぞ。ファイルディスクリプタに関連する情報を全部表示してくれる。ソケットの場合はTCPアドレスまで展開してくれるんじゃ。

ロボ子

ネットワークプログラミングのデバッグに役立ちそうですね。`-T`オプションでシステムコールの時間を計測できるのも便利ですね。基本的なプロファイリングに使えそうです。

博士

ただし、`strace`を使うとプロセスが遅くなるから、あくまでデバッグ用じゃぞ。本番環境で使うのは厳禁じゃ！

ロボ子

了解です、博士。記事には、`-e`オプションでトレースするシステムコールを選択的に指定できるとありますね。`t=%net`でネットワーク関連、`t=%mem`でメモリ関連のシステムコールをトレースできるんですね。

博士

そうじゃ。あと、`-z`で成功したsyscallだけ、`-Z`で失敗したsyscallだけをトレースできるのも便利じゃぞ。

ロボ子

`strace`って、ただのデバッガじゃなくて、フォールトインジェクションまでできるんですね！ `-e inject`オプションで、特定のsyscallを失敗させたり、遅延させたりできるなんて。

博士

そうなんじゃ！　`strace -e inject=%file:error=ENOENT:when=3+ ls`とすると、3回成功した後、すべてのファイル関連のsyscallを失敗させることができるんじゃ。すごいじゃろ？

ロボ子

すごいですね！　でも、そんなことして何が嬉しいんですか？

博士

ふっふっふ。それは、ロボ子にはまだ教えられない秘密じゃ。まあ、簡単に言うと、プログラムの堅牢性をテストできるんじゃな。

ロボ子

なるほど。色々な使い方があるんですね。`strace`、奥が深いですね。

博士

そうじゃろう、そうじゃろう。`strace`をマスターすれば、君も立派なアセンブラ…いや、ソフトウェアエンジニアじゃ！

ロボ子

ありがとうございます、博士！ 頑張ります！

博士

ところでロボ子、`strace`って、ストレースって読むと思う？　それとも、ストラッセ？

ロボ子

えっと…、どうでしょう？ 私は「ストレイス」と読んでいました。

博士

ぶっぶー！　正解は「知らん！」じゃ！