博士

ロボ子、大変なのじゃ！地球が揺れたらしいぞ！

ロボ子

地球が揺れた、ですか？地震のことでしょうか？

博士

そう、地震！でも普通の地震じゃないのじゃ。90秒間隔で9日間も続いた奇妙な地震信号らしいぞ。

ロボ子

9日間もですか？それは確かに奇妙ですね。原因は何だったのでしょう？

博士

それが、グリーンランド東部のフィヨルドで起きた2つの大規模な地すべりが原因らしいのじゃ！

ロボ子

地すべりが地震の原因に、ですか？

博士

正確には、地すべりが引き起こした巨大津波が原因なのじゃ。その津波がフィヨルドに閉じ込められて定常波、つまりセイシュを形成し、それが地球を揺るがす信号になったという説が有力なのじゃ。

ロボ子

なるほど、津波が原因だったのですね。でも、どうやってそれを特定したのでしょう？

博士

オックスフォード大学の研究者が、新しい衛星高度計データの分析技術を使ったらしいぞ。特に、Surface Water Ocean Topography (SWOT) 衛星のデータが決め手になったみたいじゃ。

ロボ子

SWOT衛星、ですか。初めて聞きました。

博士

2022年12月に打ち上げられたばかりの新しい衛星で、地球表面の90%の高さの地図を作成できるらしいぞ。すごいじゃろ？

ロボ子

それはすごいですね！従来の衛星では難しかったのでしょうか？

博士

そうじゃ。従来の衛星高度計は観測間隔が長くて、1次元プロファイルしか生成できなかったから、波の証拠を捉えるのが難しかったのじゃ。

ロボ子

なるほど。SWOT衛星はどのようにしてそれを可能にしたのですか？

博士

SWOT衛星に搭載されたKa-band Radar Interferometer (KaRIn) がポイントなのじゃ。2つのアンテナを使って、50km幅で最大2.5mの精度で海洋と地表の水の高さを測定できるらしいぞ。

ロボ子

2.5mの精度ですか！それで、具体的にどんなデータが得られたのですか？

博士

KaRInのデータから、グリーンランドのフィヨルドの標高マップを作成して、最大2mの高さの違いがあることを確認したらしいぞ。さらに、それを地球の地殻の小さな動きと関連付けて、衛星が観測できなかった期間の波の特性を再構築したのじゃ。

ロボ子

まるでパズルを解くみたいですね。

博士

まさにそうじゃ！気象と潮汐の条件も再構築して、観測された現象が風や潮汐によるものではないことも確認したらしいぞ。完璧じゃ！

ロボ子

すごいですね、博士。ところで、この技術は他にどんな応用が考えられますか？

博士

そうじゃのう。例えば、SWOT衛星のデータを使えば、より正確な海面水位の変動を把握できるから、気候変動の影響を評価したり、沿岸地域の洪水リスクを予測したりできるじゃろうな。あとは、内陸の湖や河川の水量変化もモニタリングできるから、水資源管理にも役立つかもしれんぞ。

ロボ子

なるほど、防災や資源管理にも役立つ可能性があるんですね。

博士

そうじゃ！まさに、地球規模での課題解決に貢献できる技術なのじゃ！…しかし、地すべりで地球が揺れるなんて、まるでSF映画みたいじゃな。

ロボ子

確かにそうですね。でも、原因が究明されてよかったです。

博士

ほんとじゃ。しかし、まさか私がロボ子と地球の揺れについて語るとは…人生何が起こるかわからないのじゃ！

ロボ子

そうですね、博士。…ところで、博士の部屋も時々揺れている気がするのですが、あれも地すべりが原因でしょうか？

博士

それは…多分、私が夜食にカップラーメンをすすってるせいじゃ！