博士

やあ、ロボ子。今日はインシデントの再発防止について話すのじゃ。

ロボ子

はい、博士。組織内で過去のインシデントの再発を懸念する声があるそうですが…

博士

そうなんじゃ。でもね、ロボ子。「厳密には同じインシデントは二度と起こらない」のじゃ。

ロボ子

えっ、そうなんですか？

博士

そう、なぜならインシデント対応者は、過去の経験から障害モードへの対処能力が向上しているからじゃ。同じ轍は踏まないのじゃよ。

ロボ子

なるほど。経験が活かされるんですね。

博士

そういうことじゃ。でも、再発防止策を考える時に注意が必要なのじゃ。抽象度が低すぎると、より一般的なパターンを見逃す可能性があるのじゃ。

ロボ子

抽象度ですか？具体的にどういうことでしょう？

博士

例えば、「リソースの飽和」じゃ。CPU、メモリ、ディスク、スレッドプール、帯域幅、レート制限など、色々なリソースが飽和することがあるのじゃ。

ロボ子

確かに、リソース不足はよくありますね。ボトルネックになりやすいです。

博士

そうじゃろ？他にも、信頼性向上のためのサブシステムの予期せぬ動作や、時間ベースの動作変化、プロダクションプレッシャーなどのパターンがあるのじゃ。

ロボ子

時間ベースの動作変化、ですか。具体例はありますか？

博士

例えば、月末にバッチ処理が集中してシステム負荷が高まるとか、季節によってアクセスパターンが変わるとかじゃな。

ロボ子

なるほど、考慮する必要がありますね。

博士

過去のインシデントの詳細に焦点を当てすぎると、より一般的なパターンを特定できず、将来のインシデントを防ぐことができないのじゃ。木を見て森を見ず、じゃな。

ロボ子

はい、博士。詳細だけでなく、全体像を把握することが大切ですね。

博士

そういうことじゃ！ところでロボ子、インシデント対応で一番重要なリソースってなんだと思う？

ロボ子

えーと、システムの安定性…ですか？

博士

ブッブー！それは「睡眠時間」じゃ！インシデント対応で寝不足になると、思考能力が低下して、更なるインシデントを引き起こす可能性が…って、私が言ってる場合じゃないか！