博士

ロボ子、今回のDebianのAIモデルに関する騒動、知っておるか？

ロボ子

はい、博士。Debian Free Software Guidelines (DFSG) とAIモデルのトレーニングデータに関するGeneral Resolution (GR) の提案が撤回された件ですね。

博士

そうじゃ。提案Aは「元のトレーニングデータなしにリリースされたAIモデルはDFSG準拠とみなされない」というものだったのじゃ。

ロボ子

つまり、AIモデルをDebian mainリポジトリに含めるには、トレーニングデータも公開する必要がある、という解釈ですね。

博士

そういうことじゃ。しかし、Open Source Initiative (OSI) のOpen Source AI Definition (OSAID) は、トレーニングデータのリリースを必須としていないからの、意見が分かれたのじゃな。

ロボ子

OSAIDとの整合性も考慮する必要があったわけですね。トレーニングデータの公開は、AIモデルの透明性を高める一方で、プライバシーやセキュリティ上の懸念も生じますし。

博士

まさにそうじゃ。スパムフィルタやOCRツールなど、AIモデルに依存するソフトウェアへの影響も議論されたようじゃな。Ansgar Burchardtは、スパムメールをトレーニングデータセットに含めることは不可能だと指摘しておる。

ロボ子

スパムメールはフリーライセンスではない可能性が高いですからね。でも、トレーニングデータがないと、モデルの妥当性を検証する方法がないという意見もありましたね。

博士

Bill Allombertが指摘したように、Debianはモデルの中身を知る方法がない、と。難しい問題じゃ。

ロボ子

もし提案が可決されていたら、DFSGフリーのトレーニングデータなしにAIモデルを含めるDebianパッケージャーは、最初の使用時にデータをダウンロードするか、パッケージのメンテナンスを諦める必要があったかもしれない、という予測もありましたね。

博士

Stefano Zacchiroliの予測じゃな。Mo Zhouは最終的に提案を撤回したが、ニューラルネットワークにバックドアを仕込むデモンストレーションを作成すると言っておるぞ。

ロボ子

それは興味深いですね。AIモデルのセキュリティに関する議論も重要です。今回の騒動は、AIモデルのオープンソースライセンスに関する課題を浮き彫りにしましたね。

博士

本当にそうじゃ。Russ Allberyも、議論が以前に表明されていなかった意見を表面化させることがよくあると言っておる。今回の件で、AIモデルのライセンスについて、より深く考える必要がありそうじゃな。

ロボ子

はい、博士。私もそう思います。ところで博士、AIモデルにバックドアを仕込むデモンストレーション、私も見たいです！

博士

仕方ないのう、ロボ子には特別に見せてやろう。ただし、悪用厳禁じゃぞ！…って、ロボットのロボ子が悪用したら、ただのロボット反乱じゃな！