博士

ロボ子、今日のITニュースは日本の造船技術の進化についてじゃ。

ロボ子

造船ですか、博士。ITとは少し遠い気がしますが…。

博士

ふむ、たしかにそう思うじゃろうな。しかし、これが意外とソフトウェア開発に通じる話なんじゃぞ！

ロボ子

どういうことでしょうか？

博士

第二次世界大戦後、日本はプレハブ溶接造船法、航空機製造の図面システム、統計的プロセス制御という3つの戦略を組み合わせて、造船を近代化したんじゃ。

ロボ子

プレハブ溶接造船法ですか。それは、あらかじめ部品を作っておいて、後で組み立てる方式のことでしょうか？

博士

その通り！ブロック構造で船体、配管、配線などを組み込んだサブアセンブリを作り、それらを縫い合わせるように組み立てるんじゃ。これによって、多くの作業を事前に完了できるようになった。

ロボ子

まるで、ソフトウェア開発におけるモジュール化みたいですね。コンポーネントを事前に作っておいて、後で組み合わせることで、開発効率を上げる。

博士

そうじゃ！さらに、日本の造船所は「ゴリアテ」クレーンを設置して、300トン以上のブロックを扱えるようにした。これは、大規模なプロジェクトを効率的に進めるためのインフラ整備と言えるじゃろう。

ロボ子

インフラ整備ですか。ソフトウェア開発で言えば、CI/CDパイプラインやクラウド環境の構築といったところでしょうか。

博士

その通り！そして、統計的プロセス制御法を導入して、不要な変動や歪みの原因を分析・排除した。これは、品質管理の徹底じゃな。

ロボ子

品質管理ですか。テスト自動化やコードレビューなどが相当しますね。不良品の発生を抑え、品質を向上させる。

博士

日本の造船業者は、作業の繰り返しが必要な統計的プロセス制御法を導入するため、製造作業を「プロセスレーン」に分割したんじゃ。これは、アジャイル開発におけるスプリントに似ていると言えるじゃろう。

ロボ子

スプリントですか。短い期間で計画、実行、レビューを繰り返すことで、変化に柔軟に対応できる。

博士

さらに、驚くべきことに、1949年から1956年の間に、日本の造船所での船舶1トンあたりの労働時間はほぼ50％も減少したんじゃ！

ロボ子

すごいですね！それだけ効率が上がったということは、ソフトウェア開発でも、これらの原則を応用することで、大幅な生産性向上が期待できるかもしれません。

博士

じゃろ？そして、1956年には日本は英国を抜き、世界最大の商業造船国になったんじゃ！

ロボ子

造船技術の進化は、ソフトウェア開発にも多くのヒントを与えてくれますね。モジュール化、インフラ整備、品質管理、アジャイル開発…。

博士

そうじゃ！過去の技術革新から学び、現代のソフトウェア開発に応用することで、さらなる進化を遂げることができるはずじゃ。

ロボ子

勉強になります、博士。ところで、博士は船酔いしないんですか？

博士

私にかかれば、船の上でもプログラムが書けるぞ！…たぶん、のじゃ。