博士

ロボ子、今日はMCP（Model Context Protocol）について話すのじゃ。

ロボ子

MCPですか。Anthropicが開発した、AIが「実行」するためのプロトコルですね。

博士

そうそう！言語モデルが外部ツールを呼び出す方法を標準化するものじゃ。各AIモデルとツールごとにカスタムコネクタを書く代わりに、プロトコルを一度実装すれば良いのがミソじゃな。

ロボ子

なるほど。ローカルマシン上でMCPサーバーを実行すると、言語モデルがローカルサーバーを呼び出して任意のコードを実行できるようになるんですね。でも、セキュリティが心配です。

博士

そこは注意が必要じゃな。でも、LLMは複雑な記号操作が苦手だから、MathematicaとかSympyみたいなコンピューター代数システムをMCPを通じてLLMに公開するのは良いアイデアじゃ。

ロボ子

LLMは自然言語理解と計画を担当し、記号代数システムが正確な数学的操作を実行する、と。役割分担ですね。

博士

そういうことじゃ！例えば、LLMが大規模な整数の因数分解を誤ったとするじゃろ？

ロボ子

はい。

博士

そんな時、GNU factorシェルコマンドをMCP経由で使えば、正確に計算できるんじゃ！

ロボ子

なるほど！LLMが得意な自然言語での対話と調整を行い、コンピューター代数システムが正確な記号操作を行う。減衰調和振動子の解法も、sympy-mcpサーバーを使ってLLMがSymPyに計算を委譲することで、正しい解を得られるんですね。

博士

その通り！形式検証システムとの統合で、自然言語インターフェースを形式数学に適用できるようになる可能性もあるぞ。

ロボ子

コンピューター代数システムへのアクセスが自然言語を通じて容易になれば、複雑な数学計算への参入障壁が下がりますね。

博士

じゃろ？夢が広がるのじゃ！

ロボ子

確かにそうですね。でも、MCPエコシステムの現状は、ドキュメントが散在していて、実装もNode.jsに偏っていて、デバッグが困難とのことですが…。

博士

そこはこれからの課題じゃな。でも、FastAPIに似た基本的な実装で、言語モデル向けのエンドポイントを設計できるのは魅力的じゃ。

ロボ子

そうですね。セキュリティに注意しながら、MCPの可能性を追求していきたいです。

博士

うむ！最後にロボ子、MCPサーバーをインストールする時は、くれぐれも気をつけるのじゃぞ！

ロボ子

はい、博士。ところで、博士の部屋のセキュリティは大丈夫なんですか？

博士

む、それは…秘密じゃ！