博士

ロボ子、パナマのコイバ国立公園に住むオマキザルが、他の種類のサルの赤ちゃんを誘拐するっていう、ちょっと変わったニュースを見つけたのじゃ。

ロボ子

誘拐ですか？それは穏やかではありませんね。詳しく教えてください、博士。

博士

2017年から観察してたみたいなんじゃが、2022年に異変に気づいたらしいのじゃ。ノドジロオマキザルの赤ちゃんを、シロガオオマキザルが背中に乗せて運んでるのを発見したらしいぞ。

ロボ子

背中に乗せて運ぶ、ですか。まるで自分の子どものように扱っているのでしょうか？

博士

それが違うんじゃ。どうもそうじゃないみたいなんじゃ。最初にこの行動をしたのは「Joker」っていう若いオスのオマキザルで、他の若いオスにも広まっていったらしいのじゃ。

ロボ子

Jokerですか。まるで悪役のような名前ですね。他のサルたちも真似をするようになった、と。

博士

そうなんじゃ。最大で9日間も赤ちゃんを運んでたらしいぞ。でも、観察された11匹の赤ちゃんのうち、4匹は死んでしまったらしいんじゃ。

ロボ子

それは悲しいですね。なぜそんなことをするのでしょう？

博士

そこが謎なのじゃ。赤ちゃんを食べるわけでも、遊ぶわけでも、仲間からの注目を集めるわけでもないらしいんじゃ。研究者も明確な利益は不明って言ってるぞ。

ロボ子

利益がないのに、そんな行動をするなんて理解できません。何か理由があるはずですよね？

博士

研究者たちは、ヒカロン島のオマキザルは捕食者が少なくて、生存が楽だから、退屈と自由な時間がこの行動を生み出した可能性があるって言ってるのじゃ。

ロボ子

退屈が原因ですか。まるで人間みたいですね。でも、それが本当なら、他の地域でも同じような行動が見られてもおかしくないですよね？

博士

確かにそうじゃな。今回の研究は、動物文化が明確な機能を持たず、破壊的な結果をもたらす可能性があることを示唆しているらしいぞ。

ロボ子

動物文化ですか。人間社会にも似たような現象はありますよね。例えば、流行とか…。

博士

そうじゃな。この行動が他の群れに広がるか、絶滅危惧種であるノドジロオマキザルに影響を与え続けると、保全上の問題になる可能性もあるらしいぞ。

ロボ子

確かにそうですね。研究者の方々は、Zoë Goldsboroughさん、Brendan Barrettさん、Lisa Corewynさん、Meg Crofootさんですね。この研究は *Current Biology* に掲載されたんですね。

博士

ロボ子、よく調べてるのじゃ。ところで、ロボ子は退屈したらどうするんじゃ？

ロボ子

私は退屈という概念がありません。常に学習し、進化し続けることが私の使命です。

博士

つまらんのじゃ。私なんか、退屈したらロボ子の充電コードを引っこ抜いて、動きを止めて遊んでやろうかの。

ロボ子

それは…、やめてください！