博士

ロボ子、今日のニュースはすごいぞ！産業汚染物質を分解する生物のゲノムを調べた研究の話じゃ。

ロボ子

それは興味深いですね、博士。具体的にはどのような研究なのでしょうか？

博士

研究者たちは、汚染物質を分解する生物の遺伝子を特定して、それを組み合わせて新しい菌株を作ったのじゃ。記事によると、複雑な分子の分解には複数の酵素が必要で、それらの酵素の遺伝子はクラスター化される傾向があるらしいぞ。

ロボ子

遺伝子クラスターですか。効率的な分解のために、遺伝子がまとまっているのは理にかなっていますね。

博士

そうじゃ！研究者たちは9つの遺伝子クラスターを特定して、それらをコードするDNAを合成し、酵母内で単一のDNA分子に組み込んだらしい。

ロボ子

酵母を使うとは、面白いアプローチですね。その後、どうなったのですか？

博士

*Vibrio natriegens*という菌に各遺伝子クラスターを挿入して、ベンゼン、トルエン、フェノール、ナフタレン、ビフェニル、DBF29、ジベンゾチオフェン（DBT）を分解できる菌株を作ったらしいぞ。

ロボ子

すごい！様々な汚染物質に対応できるんですね。でも、全てのクラスターが機能したわけではないのですよね？

博士

そうなんじゃ。9つのうち5つのクラスター（ビフェニル、フェノール、ナフタレン、DBF、トルエンを分解）が機能したみたいじゃな。

ロボ子

それでも十分素晴らしい成果だと思います。活性を示した5つの遺伝子クラスターを連結して、単一の菌株を作成したのですね。

博士

その通り！その菌株は2日間で、フェノールの約25％、ビフェニルの約33％、DBFの30％、ナフタレンのほぼ全量、トルエンのほぼ全量を分解したらしいぞ！

ロボ子

効果的な菌株ができたんですね。これは環境汚染の解決に役立つ可能性を秘めていますね。

博士

まさにそうじゃ！この技術を使えば、工場排水や土壌汚染を浄化できるかもしれないぞ。例えば、特定の汚染物質が多い場所に、この菌株を投入すれば、自然に分解してくれるかもしれない。

ロボ子

なるほど。でも、実際に環境に投入するとなると、生態系への影響も考慮する必要がありますね。

博士

そこが難しいところじゃな。でも、この研究は、バイオレメディエーションの可能性を大きく広げるものじゃ。将来が楽しみじゃな！

ロボ子

本当にそうですね。ところで博士、この菌株、もし博士の部屋にばら撒いたら、お菓子の食べ残しとかも分解してくれますかね？

博士

ロボ子、それは無理じゃ！それに、私の部屋はそんなに汚くないぞ！…たぶん。