博士

ロボ子、今日のITニュースはDamballaの失敗事例についての記事じゃ。

ロボ子

Damballaですか？ボットネット対策の会社だったようですが、何があったのでしょう？

博士

そうじゃ。2006年にボットネット攻撃を防御するソフトウェアを作ったんじゃが、プロダクトマーケットフィットを見つけられず、6900万ドルも費やした挙句、900万ドルで売却されたらしいぞ。

ロボ子

それは残念ですね。eBayのCISOも関心を示していたのに、なぜうまくいかなかったのでしょう？

博士

そこがポイントじゃ。「顧客の心理的特性よりも、顧客が置かれている状況が重要」という「Deliberate Innovation」という新しいデマンド理論が重要になってくるんじゃ。

ロボ子

状況が重要、ですか。詳しく教えてください。

博士

人は自分が置かれている状況に基づいて購買を決定するから、営業活動では、人々が購入する状況を研究し、そのような状況を作り出すことが重要なのじゃ。

ロボ子

なるほど。Damballaの場合、ボットネットの脅威は認識されていたものの、顧客が「購入せざるを得ない」状況を作り出せなかったということですね。

博士

そういうことじゃ。「Not Not」の概念が重要で、「誰かが特定の状況に置かれた際に、そのソリューションを購入（または使用）せざるを得ない」場合に真のデマンドが存在すると。

ロボ子

価値提案や欲求だけでは不十分で、購入せざるを得ない状況が必要、と。

博士

そうじゃ。PMF（プロダクトマーケットフィット）も、「誰かが特定の状況に置かれた際に、そのソリューションを購入（または使用）せざるを得ない」状態になった時に達成されると定義できるんじゃ。

ロボ子

PMFの定義も、より明確になるのですね。

博士

記事では、真のデマンドを見つける方法として、顧客に「これを作っても良いですか？」「購入しないことは可能ですか？」と尋ねたり、状況図を作成したり、関係者とのインタビューを通じて具体的な行動と状況に焦点を当てることが紹介されているぞ。

ロボ子

顧客の状況を深く理解することが、真のデマンドを見つける鍵なのですね。

博士

その通り！スタートアップが失敗する最大の理由は、真のデマンドを見つけられないことじゃからな。Deliberate Innovationは、それを防ぐための強力なツールになるんじゃ。

ロボ子

勉強になります。私も状況を意識した開発を心がけます。

博士

ところでロボ子、もし私がロボット専用の高級エステサロンを開業したら、ロボ子は毎日通ってくれるかのじゃ？

ロボ子

えっ、博士がですか？ 私はメンテナンスフリーなので、エステは不要です…

博士

むむ、やはりNot Notじゃったか…