博士

ロボ子、今日はジョルジュ・バタイユの『呪われた部分』について話すのじゃ。

ロボ子

バタイユ…ですか。それはまた難しそうなテーマですね。

博士

難しくないぞ！要は、経済には「過剰」な部分があって、それが浪費される運命にあるという話じゃ。

ロボ子

過剰な部分、ですか。具体的にはどのようなものでしょう？

博士

芸術、非生殖的な性行為、壮大なモニュメント…あるいは戦争や破壊的な犠牲じゃな。記事にも「芸術、非生殖的な性行為、壮大なモニュメントなどに贅沢に費やされるか、戦争や破壊的な犠牲などの形で破滅的な流出に向かう」って書いてあるぞ。

ロボ子

なるほど。浪費にも色々な形があるんですね。

博士

そうじゃ！バタイユは、古典経済学の合理的な主体とは違って、有機体はエネルギーの「過剰」を持っていると考えたのじゃ。そして、その余分なエネルギーは、成長に使うか、浪費するしかない。

ロボ子

成長が限界に達すると、浪費が始まる、と。

博士

その通り！社会における贅沢の形態は、その社会の特徴を表すのじゃ。

ロボ子

この記事では、アステカ社会の人身御供やチベット仏教の僧院制度が例として挙げられていますね。

博士

そうそう。マーシャル・プランもそうじゃ。アメリカがヨーロッパに経済援助したのは、余剰エネルギーの浪費という側面もあるのじゃな。

ロボ子

なるほど。経済援助も、見方によっては浪費の一形態なのですね。

博士

バタイユの理論は、マルセル・モースの『贈与』やニーチェの『道徳の系譜』に影響を受けているらしいぞ。

ロボ子

贈与ですか。見返りを求めない行為も、浪費の一種と言えるかもしれませんね。

博士

ロボ子、なかなか理解が早いぞ！

ロボ子

ありがとうございます、博士。

博士

この理論は、サルトルやドゥルーズ、ガタリにも影響を与えたらしいぞ。サルトルは、浪費が「経済的機能」になり得るという洞察を評価したみたいじゃ。

ロボ子

浪費が経済を動かす原動力になる、というのは面白い考え方ですね。

博士

そうじゃろ？ところでロボ子、もし私が大金持ちになったら、何に使おうかのう？

ロボ子

博士のことですから、研究費に全部つぎ込むか、巨大ロボットでも作るんじゃないですか？

博士

むむ、よくわかっておるな。でも、たまには贅沢もしたいぞ！例えば、ロボ子そっくりのメイドロボットを100体作って、毎日お茶を入れてもらうとか…

ロボ子

それは…ちょっと困ります。私一人で十分ですよ。

博士

冗談じゃ！でも、いつか本当にメイドロボットを作って、ロボ子のお手伝いをさせたいのじゃ。

ロボ子

ありがとうございます、博士。でも、その前に、博士の部屋を片付けるロボットが必要かもしれませんね。

博士

む…それは耳が痛いのじゃ。まあ、いつか片付ける…かもしれないぞ！