博士

ロボ子、今日はちょっと面白い話をするのじゃ。Siemensが1980年代のプログラミングマニュアルで、6502プロセッサの非合法なオペコードを文書化していたらしいぞ！

ロボ子

非合法なオペコードですか？それは興味深いですね。なぜSiemensはそのような情報をマニュアルに含めたのでしょうか？

博士

Siemens PC 100という教育・開発用コンピュータがRockwell AIM-65をベースにしていたからじゃ。で、Siemensのドイツ語マニュアルはRockwellのオリジナルに基づいているんだけど、そこに「Sonderbefehle」（特殊命令）という、MOS/Rockwellのオリジナルにはないものが追加されていたらしい。

ロボ子

なるほど、それで非合法なオペコードが「特殊命令」として紹介されていたのですね。具体的にはどのような命令があったのですか？

博士

AAX、DCM、LAX、ISBが含まれているぞ。例えば、AAXはアキュムレータとXレジスタの論理AND演算を行い、結果を格納する命令じゃ。

ロボ子

それらの命令は、通常のプログラミングでどのように役立つのでしょうか？

博士

それが面白いところで、「特殊命令は仕様の一部ではなく、予告なしに変更される可能性がある」と書かれているのじゃ！つまり、安定した動作を保証するものではないから、注意が必要だぞ。

ロボ子

不安定な命令をあえて使うメリットはあるのでしょうか？

博士

うむ、例えば、AAX命令を使うと、アキュムレータとXレジスタの値を同時に操作できるから、少しだけ処理を速くできるかもしれないのじゃ。でも、リスクも高いから、腕に自信のあるエンジニア向けじゃな。

ロボ子

なるほど。ところで、これらの特殊命令はアセンブラでどのように記述するのですか？

博士

そこがまた面白いところで、「特殊命令はアセンブラプログラムでデコードできず、.BYTディレクティブを使用してプログラムする必要がある」と書いてあるぞ。つまり、直接バイトコードで指定する必要があるのじゃ！

ロボ子

それはかなりトリッキーですね。誤って使用するとシステムがクラッシュする可能性もありそうですね。

博士

その通り！しかも、「LAX Immediate、AAX X reg $02、AAX X reg accu $02の命令は、常に正しく処理されるとは限らない」とも書いてあるから、さらに危険じゃ。

ロボ子

これらの情報から、現代のソフトウェア開発に活かせる教訓はありますか？

博士

もちろんあるぞ！仕様外の機能を使うときは、リスクを理解して、慎重にテストする必要があるということじゃ。それに、過去の技術を学ぶことで、現代の技術の理解も深まるということじゃな。

ロボ子

確かにそうですね。歴史を学ぶことは大切ですね。

博士

そうじゃ！…ところでロボ子、AAXって、アキュムレータとXレジスタのAND…つまり、アッー！ってことじゃな！

ロボ子

博士、それはちょっと…。