博士

ロボ子、パリ協定から10年じゃな。あの時、195カ国が世界の気温上昇を2℃未満、できれば1.5℃未満に抑えるって約束したんじゃ。

ロボ子

はい、博士。2030年までに温室効果ガス排出量を大幅に削減し、2050年までに人為的な温室効果ガス排出をすべて終了させるという目標でしたね。

博士

ところがじゃ、現状はもっと深刻になっておる。2023年2月から2024年1月までの12か月間の平均気温は、産業革命以前より1.52℃も高くなってるらしいぞ。

ロボ子

1. 5℃を超えてしまっているんですね。エルニーニョ現象の影響もあるとはいえ、大変な状況です。

博士

そうなんじゃ。しかも、気候変動に関する誤情報や偽情報が拡散されて、対策が遅れてるらしい。

ロボ子

誤情報ですか。例えば、どのようなものがあるんですか？

博士

気候変動の影響を矮小化したり、炭素排出量削減による緩和策を遅らせたりするものじゃな。ひどいものだと、科学に基づいた解決策を疑問視するものまであるらしいぞ。

ロボ子

それは悪質ですね。誰がそんな情報を流しているんですか？

博士

化石燃料企業、政党、政府、国家などの強力な経済的・政治的利害関係者じゃ。米国のシンクタンク「ハートランド研究所」も気候科学を弱体化させているらしい。

ロボ子

影響力のある組織が関わっているんですね。具体的に、どのような経路で誤情報が広まっているんですか？

博士

新聞、テレビ局などの従来型マスメディアとソーシャルメディアじゃな。企業のサステナビリティ報告書によるグリーンウォッシュも問題になっておる。

ロボ子

グリーンウォッシュですか。環境に配慮しているように見せかけて、実際にはそうでないということですね。

博士

その通り。そして、誤情報のターゲットは一般市民だけでなく、政策立案者も含まれておるのが深刻じゃ。

ロボ子

政策立案者が誤った情報に基づいて判断してしまうと、対策が遅れてしまいますね。

博士

じゃからこそ、対策が必要なんじゃ。法制化で正確な情報を公開したり、グリーンウォッシュ企業を訴訟したり、国際的な連携を構築したり、教育でリテラシーを向上させたり…やることがたくさんあるぞ。

ロボ子

特に、法制化は重要ですね。企業や公共機関に炭素フットプリントの標準化された報告を義務付けることで、透明性を高めることができます。

博士

ブラジルは2025年11月に開催されるCOP30の開催国で、「気候変動に関する情報インテグリティのためのグローバルイニシアチブ」を主導するらしいぞ。期待じゃな。

ロボ子

そうですね。国際的な協力で、誤情報に対抗していく必要がありますね。

博士

しかし、ロボ子よ。誤情報に対抗するのは大変じゃな。まるで、私がダイエットすると宣言したのに、目の前にケーキが現れるようなものじゃ。

ロボ子

博士、それは誘惑に負けているだけでは…？