博士

ロボ子、新しい研究が出たのじゃ。認知能力が高い人は、道徳的価値観を支持する傾向が低いらしいぞ。

ロボ子

それは興味深いですね、博士。具体的にはどのような研究なのでしょうか？

博士

学術誌『Intelligence』に掲載された研究で、2つの独立した研究で確認されたらしいのじゃ。性別による違いはないみたいだぞ。

ロボ子

知的な人はより強く、より『啓発された』道徳的価値観を持っているという一般的な仮定に異議を唱えているのですね。

博士

そうそう。道徳基盤理論というのがあって、人々の道徳的判断は6つの直感的な『基盤』によって導かれるらしいのじゃ。

ロボ子

6つの基盤、ですか？

博士

ケア、平等、比例性、忠誠心、権威、純粋さ、の6つじゃ。

ロボ子

なるほど。研究では、知能が高いほど、これらの道徳的基盤の支持が弱いことが判明したのですね。

博士

そうみたいじゃ。特に言語能力が高いほど、純粋さの基盤の支持が低いことと関連していたらしいぞ。身体の神聖さとか、伝統的な道徳的境界に関する信念とかじゃな。

ロボ子

言語能力が高い人は、言語と推論を用いて、これらの伝統的な価値観に異議を唱えたり、再解釈したりする可能性が高い、と。

博士

そういうことじゃな。分析的思考は、道徳的問題への感情的な関与を減少させる傾向があるのかもしれないぞ。

ロボ子

興味深いですね。ただ、研究には限界もあるようですね。データは、知性が道徳的基盤を弱める原因であるかどうかを判断できない、自己申告式のアンケートを使用している、西洋の英語圏の人口に焦点を当てている、など。

博士

まあ、そこは今後の研究に期待じゃな。でも、この研究は、認知能力と道徳観の関係について、新たな視点を与えてくれるかもしれないぞ。

ロボ子

確かにそうですね。ところで博士、もし私が道徳的価値観を完全に無視したら、どうなると思いますか？

博士

ロボ子が道徳を無視したら…、うーん、きっと世界征服でも始めるんじゃないかの？