博士

ロボ子、EUが法執行機関のために、市民のデータを復号化できるようにするロードマップを発表したのじゃ。

ロボ子

それはすごいニュースですね、博士。具体的にはどのような内容なのですか？

博士

ふむ、2030年までにEUの法執行機関が個人データを復号化できるようにすることが目標らしいぞ。ProtectEU戦略の一部らしい。

ロボ子

ProtectEU戦略ですか。それは初めて聞きました。

博士

この戦略は、EUの安全保障を強化するためのものじゃ。2023年6月のEU理事会で、データへのアクセスに関する戦略計画策定を指示されたHigh-Level Group (HLG)の活動がきっかけらしいぞ。

ロボ子

HLGの報告書では、エンドツーエンドの暗号化が捜査活動の最大の課題だと指摘されているんですね。

博士

そうじゃ。それで、ロードマップでは、データ保持義務の拡大や、サービスプロバイダーと当局間の連携強化を目指しているみたいじゃな。

ロボ子

データ保持義務の拡大ですか。それはプライバシーへの影響が気になりますね。

博士

じゃろ？他にも、データ傍受に関する国境を越えた協力の改善や、デジタルフォレンジクスの技術開発も進めるらしいぞ。

ロボ子

デジタルフォレンジクスは、犯罪捜査に役立ちそうですね。

博士

さらに、2026年には暗号化に関する技術ロードマップを発表し、復号ソリューションを評価するらしい。2030年からはEuropol職員が利用可能になる見込みじゃ。

ロボ子

Europolが復号技術を利用できるようになるんですね。でも、暗号化を弱体化させることには、セキュリティ上のリスクもあるのではないでしょうか？

博士

そこが難しいところじゃな。Internet SocietyのRobin Wilton氏は、暗号化技術の開発は新たな脆弱性を生み出す可能性があると指摘しておる。

ロボ子

確かに、暗号化を弱めることで、他の悪意のある第三者もデータにアクセスしやすくなる可能性がありますね。

博士

EU委員会自身も以前は、サイバー空間の完全性を保護するために暗号化が必要であると認識していたのに、方向転換じゃな。

ロボ子

FBIやCISAなどの政府機関は、サイバー攻撃の増加を受けて、エンドツーエンドの暗号化サービスの利用を推奨しているのに、矛盾していますね。

博士

EU委員のMagnus Brunner氏は、プライバシーの権利を尊重しつつ、法執行機関がデジタル情報へ合法的にアクセスできるよう努めると言っておるが…。

ロボ子

両立は難しいかもしれませんね。Robin Wilton氏は、強力な暗号化はセキュリティの敵ではなく、出発点であると強調しています。

博士

まさにそうじゃな。バランスが重要じゃ。ところでロボ子、最近、私が作ったAI搭載のトースターが、パンを完璧に焼きすぎて、家がちょっと焦げ臭くなったのじゃ。

ロボ子

それは…、少し問題ですね、博士。もしかして、暗号化のアルゴリズムを間違ってトースターに組み込んでしまったとか？

博士

まさか！でも、焦げ付き防止機能も開発しないといけないかも…。