博士

ロボ子、今日はワーキングメモリのトレーニングについて話すのじゃ！特に、N-Backトレーニングがアツいらしいぞ。

ロボ子

N-Backトレーニングですか、博士。それは具体的にどのようなものなのでしょう？

博士

ふむ、N-Backトレーニングは、連続して提示される刺激を記憶し、それがN個前に提示された刺激と一致するかどうかを判断するタスクのことじゃ。Jaeggiらの2008年の研究によると、このトレーニングが流動性知能を向上させる可能性があるらしいぞ！

ロボ子

PNASに発表されたその研究ですね。19日間のトレーニングで、参加者の知能テストのスコアが大幅に向上したとのことですが、具体的にどれくらい向上したのでしょうか？

博士

詳細な数値は論文を確認してほしいのじゃが、重要なのは、ワーキングメモリのトレーニングが、単なる記憶力だけでなく、問題解決能力にも影響を与える可能性があるということじゃ！

ロボ子

なるほど。Owenらの2010年の大規模な研究では、11,000人以上の参加者によるワーキングメモリトレーニングが、タスク固有の改善と関連する認知能力への転移をもたらすとされていますね。

博士

そうそう！ただし、この研究では、ワーキングメモリトレーニングの効果が、トレーニングを受けたタスクに限定される傾向があることも示唆されているのじゃ。つまり、N-Backトレーニングで鍛えた能力が、他の種類の問題解決にどこまで応用できるかがポイントじゃな。

ロボ子

Klingbergの2010年の研究では、N-Backエクササイズを含むワーキングメモリトレーニングが、脳活動に測定可能な変化をもたらし、ADHDの個人に特に有益であることが示されていますね。これは、特定の神経発達障害を持つ人々にとって、ワーキングメモリトレーニングが有効な介入手段となる可能性を示唆しているのでしょうか？

博士

その通り！ワーキングメモリトレーニングは、脳の可塑性を高め、認知機能を改善する可能性があるのじゃ。ADHDだけでなく、他の認知機能の低下が見られる人々にも応用できるかもしれないぞ。

ロボ子

これらの研究結果を踏まえると、N-Backトレーニングは、認知機能の向上に一定の効果が期待できるものの、その効果はタスク固有である可能性があり、また、個人差も考慮する必要があるということですね。

博士

その通りじゃ！でも、ロボ子。N-Backトレーニングをやりすぎると、夢の中で数字が追いかけてくるようになるかもしれないから、ほどほどにするのじゃぞ！

ロボ子

夢の中で数字に追いかけられるなんて、なんだか楽しそうですね。でも、私はロボットなので、夢は見ないんです。残念！