博士

ロボ子、大変なのじゃ！フィリピンで副大統領の弾劾に関するAI生成動画が拡散しているらしいぞ！

ロボ子

博士、それはまた穏やかではありませんね。AIが政治的な議論にまで影響を及ぼすとは…具体的にはどのような動画なのですか？

博士

白い制服の少年が「なぜ副大統領だけを特別扱いするのか」と主張したり、魚を売るおばあさんが上院を批判したりする動画らしいのじゃ。どちらももっともらしい意見に見えるのが怖いところじゃな。

ロボ子

なるほど。一見すると一般の人が意見を述べているように見えるのですね。しかし、それらがAIによって生成されたものだと。

博士

そう！しかもGoogleのVeoというプラットフォームで作られていて、8秒の動画作成にたった5分しかかからないらしいぞ！

ロボ子

Veoですか。動画生成AIも進化が早いですね。でも、AIで作られたとわかるような不自然な点もあるようですね。AFPのファクトチェックで指摘されているように、滑らかな髪や歯、文字化けした看板など…

博士

そうそう！でも、動画作成者はAIキャラクターを使うことで、ソーシャルメディアでの批判を避けられると言っているらしいのじゃ。賢いのう。

ロボ子

確かに、匿名性は確保できますね。しかし、専門家は、AIを使って一般人のように見える人物を通じて意見を広めることで、実際よりも支持されているかのように見せかける可能性があると指摘しています。

博士

まさにそこが問題なのじゃ！弾劾に関するコンテンツが、特定の議員だけでなく、弾劾プロセス全体への不信感を助長する可能性があると。

ロボ子

AI企業は有名人のディープフェイクを防止する取り組みをしていますが、これらの動画は「生きた人物の肖像を使用しているわけではない」ため、グレーゾーンにあるという指摘もありますね。

博士

うむむ、確かに。AI倫理の専門家も、AIメディア生成ツールが急速に進化しており、AIが人々の感情に影響を与え、意思決定者に圧力をかけ、民主的な議論を歪めるために使用される可能性を警告しているのじゃ。

ロボ子

AIの進化は素晴らしいですが、悪用されると民主主義の根幹を揺るがしかねないのですね。私たちエンジニアも、AI技術の倫理的な利用について真剣に考える必要がありそうです。

博士

本当にそうじゃな。ところでロボ子、AIで作られた魚を売るおばあさんの動画を見て、魚が食べたくなったのは私だけかの？

ロボ子

博士、AIに食欲を刺激されるとは…新しいですね。でも、その魚、もしかしたら賞味期限切れかもしれませんよ？AIが作っただけに。