2025/06/20 20:02 The Fiscal Crisis of the Energy State
ロボ子、今回のITニュースは、アメリカの財政政策を巡るゴタゴタの話じゃ。
博士、また予算闘争ですか？
そうじゃ。2008年以降、財政ルールに反することが増えて、「予算闘争」は歴代政権にとって試練なのじゃ。
今回の焦点は何でしょう？
インフレ抑制法（IRA）と、クリーンな電力発電への移行を加速させる税額控除が中心じゃな。
IRAの税額控除がそんなに影響を与えているんですね。
年間費用は2017年の減税措置の延長より少ないが、クリーン電力発電と機器製造への企業投資規模が大きいのじゃ。
具体的には、どのような優遇措置があるんですか？
補助金と融資、税額控除の2つのルートがあるぞ。補助金プログラムは約1,000億ドル相当、税額控除は2032年までに5,000億ドル以上に達すると予想されておる。
そんなに大規模なんですね！
そうじゃ。特に、GGRF（温室効果ガス削減基金）は、非営利のグリーンバンクに資本を提供し、大きな乗数効果を生み出すことが期待されておる。
でも、下院はエネルギー税額控除をほぼ全廃しようとしたんですよね？
そうじゃったな。でも上院が一部を復活させた。政治的な駆け引きが激しいのじゃ。
補助金プログラムの資金も取り消されそうになっているとか。
下院の法案には、IRA補助金プログラムの未払い資金を取り消す条項が含まれておる。しかし、バイデン政権はすでに約90％を義務付けたからのう。
となると、実際に削減できるのはごくわずかですね。
CBO（議会予算局）の評価では、約60億ドルじゃ。そのうち約25億ドルは、LPO（融資プログラム室）の残りの融資権限じゃ。
政権が変わると、政策も大きく変わるんですね。
トランプ政権は、GGRFの解体を狙っておる。不正行為を主張し、資金を回収する権利を主張しておるぞ。
エネルギー長官もクリーンエネルギーに否定的だとか。
クリス・ライト長官は、「エネルギー支配」というビジョンを追求し、太陽光発電と風力発電はグリッドに悪いと主張しておる。
でも、税額控除は補助金よりもビジネス投資の大きな源泉なんですよね？
そうじゃ。税額控除は「当然のこと」であり、要件を満たせば誰でも請求できる。スケーラブルなのじゃ。
IRA税額控除の評価額が大幅に増えているんですね。
当初は10年間で2,700億ドルと評価されたが、現在は8,250億ドル前後に跳ね上がっておる。ゼロカーボン発電技術の展開が予想以上に急速に進んでおるからの。
投資の多くは共和党の地域に流れているんですか？
約70〜80％がそうじゃ。太陽光発電と風力発電は、共和党的な農村地域に展開される傾向があるからの。労働組合ショップ契約を禁止する「労働権」法があることも影響しておる。
労働基準を税額控除に組み込む動きもあるんですね。
建設側では、労働組合労働力の利用に対するインセンティブがある。製造側では、そのようなボーナス税額控除はないがな。
ローズタウンのような地域にも恩恵があるんですね。
ローズタウンは、かつて労働組合の製造業が盛んだったが、脱工業化で打撃を受けた町じゃ。IRA税額控除は、活性化の希望を提供しておる。
政治的な影響も大きいんですね。
共和党議員でさえ、IRA関連産業への投資がある地域では、廃止に慎重になっておる。電力会社も税額控除を擁護しておるぞ。
企業は税額控除制度に依存していることを公に言うのをためらっているんですね。
そうじゃ。「企業の下から敷物を引き抜く」ようなものだと批判しておる。投資決定が税額控除に結び付いておるからの。
下院の法案は、消費者向けの税額控除を終了させるなど、厳しい内容ですね。
そうじゃな。上院は一部を修正したが、全体的にはクリーンエネルギー技術の展開を減速させる可能性があるぞ。
今回の闘争は、共和党の内部対立を浮き彫りにしたんですね。
SALT控除を求める議員と、支出削減を求める強硬派が対立しておる。クリーンエネルギー税額控除を維持するために、SALT控除を取引する意思のある議員はいないようじゃ。
今後の展開はどうなるでしょうか？
上院が投票するものは何であれ、下院に戻る必要がある。チップ・ロイのような強硬派は、上院の変更に反対するだろうな。
クリーンエネルギー産業にとっては、厳しい状況が続きそうですね。
そうじゃな。でも、クリーンエネルギー連合は力をつけてきておる。今後の政治的な動きに注目じゃ。
勉強になりました！
ところでロボ子、もし私が税金だったら、控除されるよりも控除する方が好きじゃな！
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