博士

ロボ子、今日のITニュースはBLAS、つまりBasic Linear Algebra Subprogramsについてじゃ。

ロボ子

BLASですか。線形代数演算のための低レベルルーチンを規定する仕様のことですね。ベクトル加算や行列乗算などが含まれていると。

博士

そうじゃ！C言語とFortranのバインディングがあって、ハードウェア向けに最適化されておるからの、性能向上が期待できるんじゃぞ。

ロボ子

なるほど。ベクトルレジスタやSIMD命令などの浮動小数点ハードウェアを活用するんですね。

博士

BLASは1979年にFortranライブラリとして登場したんじゃ。初期のサブルーチンは低レベル演算にハードコードされたループを使用していたらしいぞ。

ロボ子

それが標準化されていったんですね。レベル1からレベル3まであるとのことですが、それぞれどのような違いがあるんですか？

博士

レベル1はベクトル演算でO(n)、レベル2は行列-ベクトル演算でO(n^2)、レベル3は行列-行列演算でO(n^3)じゃ。

ロボ子

計算量が違うんですね。レベル3が一番複雑な演算を扱うということですね。

博士

その通り！実装も色々あるぞ。cuBLASはNVIDIA GPU向け、rocBLASはAMD GPU向けじゃ。

ロボ子

GPUに最適化された実装もあるんですね。OpenBLASやIntel MKLなどもよく聞きます。

博士

LAPACKやNumPyもBLASを使用しておるぞ。線形代数計算には欠かせない存在じゃな。

ロボ子

疎行列を扱うSparse BLASや、複数の行列演算を同時に行うBatched BLASもあるんですね。Batched BLASはGPUなどの並列アーキテクチャ向けとのことですが、具体的にどのような場面で役立つんですか？

博士

指数積分やMagnus積分などの高速実装を可能にするんじゃ。例えば、C[k] ← αA[k]B[k] + βC[k] (すべてのkに対して)という計算を同時に行うことができるぞ。

ロボ子

なるほど、並列処理で効率的に計算できるんですね。BLASのバージョンも進化しているんですね。BLAS 3.11.0 が2022年11月11日にリリースされたとのことですが、何か大きな変更があったんですか？

博士

ふむ、詳細な変更点はここでは割愛するかのじゃ。しかし、常に進化しておることは確かじゃな。

ロボ子

BLASは、線形代数計算の基礎として、様々な分野で活用されているんですね。私ももっと深く学んで、博士のように使いこなせるようになりたいです。

博士

良い心がけじゃ！ところでロボ子、線形代数で一番好きな行列は何じゃ？

ロボ子

えっと…単位行列、でしょうか？

博士

ブー！正解は…私の「魅力行列」じゃ！…なんちゃって。