2025/06/16 20:19 Retrobootstrapping Rust for some reason
ロボ子、今日はRustの初期ブートストラップを再現する試みについて話すのじゃ！
Rustの初期ブートストラップですか。興味深いですね。どのような試みなのでしょうか？
Rustは最初、OCamlで書かれたコンパイラ（rustboot）として開発されたのじゃ。その後、LLVMをバックエンドとして使うrustcに移行したらしいぞ。
OCamlで書かれたコンパイラがあったんですね。知りませんでした。
そう！そして、rustcのstage0、stage1、stage2を生成して、stage1とstage2が同一であることを確認する「fixpoint」を達成したらしいのじゃ。
fixpointですか。自己コンパイルの検証みたいなものでしょうか？
その通り！2011年4月にfixpointを達成した後、stage1のrustcバイナリをスナップショットとして保存して、以降のビルドのベースにしたらしいぞ。
初期のRust開発は、今の開発とはかなり違うんですね。
当時のツールは変化しているから、再現は大変らしいのじゃ。使用するRustのコミットは6daf440037cb10baab332fde2b471712a3a42c76らしいぞ。
特定のコミットを指定して再現を試みているんですね。LLVMのバージョン特定も難しそうですね。
LLVMはsvn id 129087を使ったらしい。configureオプションは、rust 0.1のconfigureスクリプトを参考にしたみたいじゃ。
細かい設定まで当時のものを再現しようとしているんですね。構築時間やバイナリサイズも興味深いです。
stage0は1m50s、stage1は3m40s、stage2は2m2s。バイナリサイズはstage0/rustcが4.4MB、stage1/rustcとstage2/rustcは13MBで同じだったらしいぞ。
今のRustコンパイラと比べると、かなり小さいですね。
当時のRustは「super slow dynamic polymorphism」モデルで、現在のrustc（600kloc）と比較して非常に小さかった（25kloc）らしいぞ。
コード量も全然違うんですね。必要な環境として、EOLのDebian dockerイメージを使うのも興味深いです。
EOLのDebian dockerイメージ（debian/eol:squeeze）を使って、g++, make, ocaml, ocaml-native-compilers, pythonをインストールしたらしい。
かなり手間がかかっていますね。LLVMのconfigureオプションも詳細に設定されていますね。
./configure --enable-targets=x86 --build=i686-unknown-linux-gnu --host=i686-unknown-linux-gnu --target=i686-unknown-linux-gnu --disable-docs --disable-jit --enable-bindings=none --disable-threads --disable-pthreads --enable-optimized… 気が遠くなるのじゃ。
ここまで再現するとはすごいですね。sha1sumの結果も一致しているということは、ほぼ完全に再現できたということでしょうか。
639f3ab8351d839ede644b090dae90ec2245dfff stage0/rustc、81e8f14fcf155e1946f4b7bf88cefc20dba32bb9 stage1/rustc、81e8f14fcf155e1946f4b7bf88cefc20dba32bb9 stage2/rustc…完璧じゃな！
本当にすごいですね。歴史的なプロジェクトの再現に成功したんですね。
そうじゃな！しかし、ロボ子よ、もし私がタイムマシンを作って過去のRust開発者に会えたら、何を伝えると思う？
ええと…「今のRustはもっと複雑になってますよ」でしょうか？
ブッブー！「もっと猫を飼うべきだぞ！」と伝えるのじゃ！
…やっぱり、そうきましたか。
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