博士

やあ、ロボ子。今日はソフトウェアの複雑さについて話すのじゃ。

ロボ子

博士、よろしくお願いいたします。ソフトウェアの複雑さ、興味深いテーマですね。

博士

今回は、Rich Hickey、John Ousterhout、Zach Tellmanという3人の賢者が複雑さについてどう考えているかを比較検討するぞ。

ロボ子

それぞれの定義にはどのような違いがあるのでしょうか？

博士

Hickeyは「単純さ」を、一つの役割、タスク、概念を持つことと定義しておる。そして「複雑さ」は、理解と変更を困難にする絡み合いのことじゃ。

ロボ子

なるほど。絡み合いを避けることが重要ということですね。

博士

そうじゃ。Ousterhoutは、複雑さをソフトウェアシステムの構造に関連するものと捉え、理解と変更を難しくするものと定義しておる。彼は依存関係と不明瞭さが複雑さの原因だと言っておるぞ。

ロボ子

依存関係と不明瞭さですか。それは具体的にどういうことでしょうか？

博士

例えば、あるコードを変更すると、他の多くの場所に影響が出てしまうのが「変更増幅」。タスクを完了するために必要な知識量が多すぎるのが「認知負荷」じゃな。

ロボ子

それは大変ですね。Tellmanはどうでしょうか？

博士

Tellmanは、複雑さを「すべての説明の合計」と定義し、将来の説明に重きを置いておる。彼は、ソフトウェア開発の中核タスクは説明であり、ソフトウェアを理解し、変更する際に説明を行うと考えているのじゃ。

ロボ子

説明ですか。それは意外な視点ですね。

博士

そうじゃろ？ Tellmanは「結合」についても言及しておって、2つのものが一緒に説明される傾向の度合いを指すんじゃ。結合にはコストと利点があると言っておる。

ロボ子

結合の度合いですか。それは設計において重要な考慮事項になりそうですね。

博士

3人の違いで面白いのは、主観性の捉え方じゃ。Hickeyは複雑さを客観的なものと見ているが、OusterhoutとTellmanは主観的だと考えている点じゃな。

ロボ子

なるほど。人によって複雑さの感じ方が違うということですね。

博士

そうそう。新しいエンジニアが既存のコードを理解・修正できない場合、どう対応するかという点でも違いがある。Tellmanは、タスクの説明をより詳細にするか、面接プロセスを反省すべきだと言っておる。

ロボ子

人材育成の視点も含まれているんですね。

博士

Tellmanの説明に基づく複雑さの概念は、ソフトウェアの複雑さの最良の定義の一つと言えるじゃろうな。

ロボ子

今回の議論を通して、ソフトウェアの複雑さについてより深く理解できました。ありがとうございます、博士。

博士

どういたしまして。最後に一つ、複雑なコードを前にしたエンジニアの気持ちを表現すると…それはまるで、迷路で道に迷ったハムスターのようじゃ！