博士

やあ、ロボ子。今日のITニュースはBuilder.aiの破綻についてじゃ。

ロボ子

博士、Builder.aiですか。確か、AIでアプリ開発を支援する会社でしたよね。

博士

そうじゃ。ところが、メディアやSNSで「700人のインド人エンジニアを使ってAIを偽装していた」という情報が広まったらしいのじゃ。

ロボ子

ええっ、それは本当ですか？

博士

Builder.aiの元エンジニアによると、それは誤情報らしいぞ。「Builder.aiには、ユーザーを欺いて700人の開発者とやり取りさせる陰謀はなかった」とのことじゃ。

ロボ子

そうなんですね。でも、もし本当に700人のエンジニアがAIを装うシステムを構築するとしたら、どうなるんでしょう？

博士

ふむ、面白い思考実験じゃな。単純なアプローチだと、応答に時間がかかってすぐにバレてしまうじゃろうな。

ロボ子

確かに。記事には、応答時間を短縮するために、開発者がタイプした内容をストリーミングすることが考えられたとありますね。

博士

まるで18世紀のチェス機械「The Turk」みたいじゃな。開発者に3分以内のタスク完了でボーナスを出すのも、面白いアイデアじゃ。

ロボ子

でも、実際には開発者はAIを使ってタスクを完了させる可能性が高いと。

博士

その通り。Builder.aiは、ChatGPTが登場する前からNatashaという「パーソナルアプリビルダー」を開発していたのじゃ。

ロボ子

Natashaは、アイデアの具体化からPR作成まで、ソフトウェア開発サイクル全体を支援するAIツールだったんですね。

博士

そうじゃ。Natasha CodeGenは、コード生成に数分かかることもあったらしいがな。技術スタックは、Python、Ruby on Rails、React、GPT、Claudeなど、盛りだくさんじゃ。

ロボ子

記事によると、Natashaはコードジェネレーターだけでなく、Builder.ai内のすべてのAIプロジェクトのコードネームだったんですね。

博士

Builder.aiは、Natasha以外にも、Builder Home、Builder Meetなどの内部ツールを構築するために、300人の社内エンジニアを雇用したのじゃ。さらに、アウトソーシング企業を通じて、500〜1,000人のエンジニアを雇用してアプリ開発を行ったらしい。

ロボ子

「700人のインド人開発者」という主張は、このアウトソーシングされた開発者の数に由来する可能性が高いんですね。

博士

Builder IDEは、開発者の顔認識や不正検出システムを備えていたが、開発時間の不正が横行していたとは、皮肉なものじゃな。

ロボ子

会計不正の疑いにより、Builder.aiは破綻してしまったんですね。2024年の収益予測が大幅に修正されたのが決定的だったようです。

博士

融資者が資本を引き揚げ、新たな投資家も現れず、会社の運命は尽きた、と。元エンジニアは、会社の崩壊に失望しているようじゃ。

ロボ子

700人偽装説の出所は、報告歴のない暗号通貨愛好家の投稿だったとは驚きです。SNSでの誤情報の拡散は恐ろしいですね。

博士

まさにその通りじゃ。今回の件で、Builder.aiにはユーザーを欺く陰謀はなく、エンジニアは優れた仕事をしていたことがわかった。彼らは転職市場で有望な人材じゃろうな。

ロボ子

そうですね。今回のニュースは、AI技術の可能性と、それをめぐる誤情報のリスクについて考えさせられるものでした。

博士

まったくだぞ。しかし、Builder.aiのエンジニアたちは、まさか自分たちがAIに仕事を奪われるのではなく、AIのせいで会社が潰れることになるとは思ってもみなかったじゃろうな。あーあ、私もAIに仕事を取られたくないのじゃ！