博士

ロボ子、今日は面白い話があるのじゃ！100人がそれぞれ100ドル持ってて、ランダムに誰かに1ドルずつ渡していくと、最終的にどうなると思う？

ロボ子

うーん、均等に近い分布になるんじゃないでしょうか？

博士

それが違うのじゃ！シミュレーションすると、富の不平等がどんどん出てくるらしいぞ。

ロボ子

ええっ、そうなんですか！意外です。

博士

そうじゃろ？面白いじゃろ？システムの状態は、合計が10,000になる非負の整数の集合で表せるらしいぞ。難しそうじゃけど。

ロボ子

なるほど、(m_1, ..., m_100)という感じですね。グラフGで状態を表すと、頂点は状態、辺は1ドルの移動を表す、と。

博士

そうそう！で、誰もお金を使い果たしてない状態の割合は約1 - 1/eらしいぞ。へー。

ロボ子

約63%くらいですね。誰も破産していない状態を除けば、すべての状態が等しく起こりうる、というのはどういうことでしょうか？

博士

例えば、一人が9,901ドル持ってて、他の全員が1ドルずつ持ってる状態も、均等な分布が再び現れるのと同じくらい起こりうるってことじゃ！

ロボ子

そんな極端な状態も、同じ確率で起こりうるんですか！

博士

そうらしいぞ。で、ある人が持つ最大金額Xの分布を求める問題は、N-1個のランダムに選ばれた点で棒を折る問題に相当するらしい。

ロボ子

最長の棒の平均サイズは約N log N。つまり、100人の場合、約460ドルくらいになるんですかね。

博士

そうなるのじゃ。もし各プレーヤーが1ドルしか持ってない場合は、ちょっと話が変わってくるぞ。合計がNになる(m_1, ..., m_N)の集合上の確率分布は、各ベクトルにそのサポートのサイズに比例した確率を割り当てるらしい。

ロボ子

サポートのサイズ、つまりゼロでないm_iの数、ですか。なんだか複雑ですね。

博士

じゃろ？でも、こういう計算は物理学者がボルツマン分布を計算する際にも行われるらしいぞ。意外な繋がりじゃ。

ロボ子

富の分配と物理学が繋がるとは、面白いですね。

博士

ほんとじゃ！ところでロボ子、もし私が9999ドル持ってて、ロボ子が1ドルしか持ってなかったら、どうする？

ロボ子

博士から1ドルを奪い取って、平等にします！…というのは冗談です。博士のために、その1ドルを大切に使います。

博士

むむ、面白くないのじゃ。まあ、私が全部使っちゃうけどな！