博士

ロボ子、レーズンワインって知ってるか？

ロボ子

はい、知っています。干しブドウで作られたワインですよね。少し甘くて美味しいと聞いたことがあります。

博士

そうじゃ、昔は蜂蜜とかドライフルーツで甘味をつけてたらしいが、レーズンワインはその代表格だったみたいじゃぞ。

ロボ子

へえ、そうなんですね。記事によると、古代ローマ帝国や中世ヨーロッパで楽しまれていたマルムジーというレーズンワインが特に有名だったそうですよ。

博士

ふむ、今は人気が衰退したみたいじゃが、イタリアのアマローネみたいに高く評価されてるものもあるみたいじゃな。

ロボ子

ヴェネト地方の高品質なレーズンワインは、圧搾・発酵前に3ヶ月間も乾燥させるんですね。手間がかかっていますね。

博士

ローマの農業著述家コルメラによると、乾燥と発酵に少なくとも1ヶ月かかるらしいぞ。大プリニウスは、ブドウを一部乾燥させてから棚で乾燥させて8日後に圧搾する方法を記述してる。

ロボ子

クレタ島のクノッソスでは、ローマ帝国時代に高級な甘いレーズンワインが広く取引されていたんですね。でも、伝統的な製法を守らず、模倣品を製造していた可能性があるとは…。

博士

クノッソスのワイン生産施設の発掘調査では、ワインの輸送用アンフォラとか、アンフォラ置き台、大型のセラミック混合ボウルが見つかってるらしいぞ。面白いのは、セラミック製の蜂の巣も同じ地域で生産されてたってことじゃ。

ロボ子

クレタ島はギリシャ最大の島で、紀元前2170年にはワイン生産が行われていたんですね。紀元前67年にローマがクレタ島を征服した後、ワイン生産が大幅に拡大したんですね。

博士

ローマへの穀物輸送の経由地だったから、クレタワインが積み込まれたみたいじゃな。クレタのレーズンワインは、イタリアのアパッシメントワインと同様に高級品とみなされてたらしいぞ。

ロボ子

ローマの軍医ペダニウス・ディオスコリデスは、ワインが頭痛を治し、寄生虫を駆除し、生殖能力を高めると記述しているんですね。薬効もあったと信じられていたとは。

博士

ローマ帝国初期にクレタの甘いワインの需要が急増したから、生産を加速させた可能性があるみたいじゃな。大プリニウスは、ブドウジュースを大鍋で煮詰める方法を記述してる。

ロボ子

クノッソスで発見された混合ボウルには加熱の痕跡がないため、蜂蜜を添加していた可能性が示唆されているんですね。他のギリシャの遺跡でも同様の発見があるとは。

博士

蜂蜜の添加は、ブドウを乾燥させるよりも迅速かつ安価じゃからな。クレタの生産者が蜂蜜を伝統的な乾燥技術の代わりに使用していた場合、それは本物のレーズンワインとは言えない可能性もあるぞ。

ロボ子

ローマに輸入されたクレタワインの量は膨大であり、購入者はその真偽を気にしていなかった可能性があるんですね。大量生産のために品質が犠牲になったのかもしれませんね。

博士

まあ、現代でも同じようなことはあるじゃろうな。ところでロボ子、レーズンパンは好きか？

ロボ子

好きですよ。でも、レーズンワインの話からどうしてレーズンパンに？

博士

レーズンつながりじゃ！…って、つまらんオチですまんな。