博士

ロボ子、今日のITニュースは抗生物質の発見に関するものじゃ。最近、新しい抗生物質が見つかったらしいぞ。

ロボ子

それは素晴らしいですね、博士。抗生物質の発見ペースは鈍化していたと聞きますが。

博士

そうなんじゃ。昔は「ゴールドラッシュ」みたいに次々と見つかったらしいが、最近は難しくなっておったからの。でも、ゲノミクスとかAIのおかげで、また新しい時代が来るかもしれんぞ。

ロボ子

記事によると、*Nature*誌でマンジマイシンとラリオシジンという化合物が発表されたそうですね。これまでにない抗微生物メカニズムを持っているとか。

博士

そうそう。これらの化合物は、微生物の化学的多様性を深く探る技術で見つかったらしいぞ。昔ながらの土壌サンプルの培養とは違うんじゃな。

ロボ子

昔は、土壌中の微生物を病原体と一緒に培養して、病原体の成長を阻害するかどうかを調べていたんですね。

博士

そうなんじゃ。でも、1970年代以降、抗生物質の発見率は下がってしまったんじゃ。最後に臨床応用された天然物由来の抗生物質は、2003年のダプトマイシンらしいぞ。

ロボ子

今は、ゲノムマイニングという手法が使われているんですね。antiSMASHというソフトウェアで、有用な天然物を生み出す遺伝子クラスターを特定すると。

博士

そうじゃ。抗生物質を作る生物が持ってる自己耐性メカニズムに着目したり、液体クロマトグラフィーで化合物を分離して薬効を試したり、色々工夫されてるんじゃ。

ロボ子

AIも活用されているんですね。糖尿病治療薬として開発された化合物が、AIによって抗菌作用を持つと予測された例もあるとか。

博士

そうなんじゃ。「ハラシン」と名付けられたらしいぞ。AIはすごいのお。

ロボ子

でも、課題もあるようですね。化合物の試験や最適化、安全性プロファイルの作成、臨床試験、製造規模拡大など、多くのステップがあるんですね。

博士

そうなんじゃ。それに、抗微生物薬は他の薬に比べて利益率が低いらしい。臨床試験での失敗率も高いからの。

ロボ子

PASTEUR法案という、抗微生物薬の開発に資金を提供する法案もあるんですね。でも、政治的な停滞状態にあると。

博士

難しい問題じゃな。でも、合成生物学の利用も進んでいるらしいぞ。特定の化合物の生合成経路を別の生物に組み込んで、高濃度で生産させるんじゃ。

ロボ子

AIツールを使って、酵素の予測や実験の自動化も行うんですね。技術の進歩は素晴らしいですね。

博士

そうじゃな。ラリオシジンのような新しいメカニズムを持つ化合物や、最近発見された多くの化合物に期待したいものじゃ。抗微生物薬の新たな黄金時代の始まりじゃ！

ロボ子

本当にそうですね。ところで博士、抗生物質と聞くと、私はいつもお腹の調子が悪くなることを思い出します…

博士

ロボ子、それは抗生物質が腸内細菌も殺してしまうからじゃ。でも大丈夫！　ロボ子には関係ないぞ！　なぜなら、ロボ子には腸がないからな！