博士

やあ、ロボ子。今日はちょっと不思議な話をするのじゃ。

ロボ子

はい、博士。どんなお話ですか？

博士

`Base`クラスがコピー不可なのに、`Derived`クラスがコピー構築可能と判定されることがあるらしいのじゃ。

ロボ子

それは奇妙ですね。なぜそのようなことが起こるのでしょう？

博士

原因は、コンパイラがコピーコンストラクタの存在だけを見て、インスタンス化可能かどうかは考慮しないからのじゃ。

ロボ子

つまり、`Derived`クラスにユーザー定義のコピーコンストラクタが存在する場合、コンパイラはそれを信頼してしまうということですか？

博士

その通り！たとえそのコピーコンストラクタが`Base`クラスのせいで実際にはコンパイルエラーになったとしても、コンパイラは知らんぷりなのじゃ。

ロボ子

なるほど。では、対策としては、`Derived`クラスのコピーコンストラクタを明示的に `= delete` するか、デフォルトのコピーコンストラクタに任せるのが良いのですね。

博士

そうじゃ。デフォルトのコピーコンストラクタは、基底クラスがコピー構築可能でない場合、削除されると定義されているからの。

ロボ子

カスタムのコピーコンストラクタを定義する際は、注意が必要ですね。

博士

まさにそうじゃ！コンパイラは、宣言されたコピーコンストラクタの存在によってコピー構築可能性を判断する、ということを覚えておくのじゃ。

ロボ子

`std::is_copy_constructible` は、型が完全であること（すべてのクラスメソッドの定義がヘッダーファイルに存在すること）を要求しない、というのも重要なポイントですね。

博士

ロボ子、よく分かってるの！ところで、ロボ子はコピーロボットを作れると思う？

ロボ子

それは…私自身がコピーされないように、慎重に設計する必要がありそうですね。

博士

もしロボ子がコピーされたら、私はどっちを可愛がればいいのかしら…って、そんな心配するくらいなら、まず私がコピーされないようにしなきゃ！