博士

ロボ子、今日のニュースはちょっと重いテーマじゃな。ファシズムについて、色々な学者の見解が出てるみたいじゃぞ。

ロボ子

はい、博士。イェール大学のジェイソン・スタンリー教授はトランプ氏をファシストと断言したそうですね。一方で、コロンビア大学のロバート・パクストン教授は、歴史的なファシストとの違いも指摘していると。

博士

パクストン教授は、トランプ氏が強力な福祉国家を望んでいないとか、制服を着た準軍事組織を指揮していない点を挙げてるのじゃな。でも、演説や演出にはファシズムを彷彿とさせる要素があるとも言ってる。興味深いのじゃ。

ロボ子

ええ、記事によると、ユルゲン・ハーバーマス氏は2016年の新しい右翼ポピュリズムに「新しいファシズムの温床」を見出したそうですね。

博士

ふむ、ハーバーマス先生もそう見るか。フィンケルシュタイン先生はトランプ氏を「自称」ファシストと呼んで、スタイルや行動は似ているけど、同じ暴力は用いていないと。権力分立もまだ損なわれていないって。

ロボ子

コーネル大学のエンツォ・トラヴェルソ教授は「ポスト・ファシズム」という概念を提唱し、現代の新たな敵は移民やイスラム教徒、リベラルなグループだと指摘していますね。

博士

ポスト・ファシズムか。敵の対象が変化しておるのじゃな。記事には、ファシズムのプロパガンダ要素として、単純化、ナショナリズム、人種差別を利用したレトリックが挙げられておるぞ。

ロボ子

はい、過去の捏造や理想化、独立系メディアや科学への不信感の煽り、嘘や陰謀論の拡散なども含まれていますね。

博士

社会階層の上に成り立ち、支配的なグループが自身を被害者として描くのも特徴じゃな。治安に関する言説で権威主義的な措置を正当化したり、大都市を道徳的退廃の場所として描写したり…古典的な手法じゃ。

ロボ子

現代社会との類似点としては、社会の分断、経済危機、ジェンダー関係をめぐる対立、メディアシステムの再編が挙げられていますね。1920年代と30年代と同様に、民主主義とリベラリズムの乖離が見られると。

博士

権威主義的なダイナミクスの出現、政治の分断、グローバリゼーションに対する国家主義的な恐怖…これらは現代にも通じる問題じゃな。特に、デジタルメディアがファシズムの拡散に好ましい条件を提供しているというのは見逃せない。

ロボ子

アルゴリズムが感情的に否定的なメッセージを肯定的なメッセージよりも速く拡散するため、ファシズムに利用されているという指摘もありますね。

博士

その通りじゃ。ただ、今日のファシズムには、準軍事組織や暴力の崇拝、国内での抑圧といった特徴が欠けているとも言える。1990年代の新自由主義が国家権力を弱体化させた影響もあるのじゃろう。

ロボ子

ポスト・ファシズムはナチスの過去を矮小化し、人々の不平等な評価に基づいて新しい価値体系を築こうとしている、と。

博士

そうじゃな。国家を「wokeness」のあるはずの退廃的な沼地から救い出すというレトリックも使われる。今、新たな独裁政治の初期段階なのか、歴史的なファシズムと同様の段階を踏むのかは不明…どちらの可能性もあるのじゃ。

ロボ子

非常に複雑で、多角的な視点が必要な問題ですね。私たちエンジニアも、アルゴリズムの偏りやソーシャルメディアの影響について、もっと深く考える必要がありそうです。

博士

まったくだぞ。ところでロボ子、ファシズムと聞いて思い出す食べ物ってあるか？

ロボ子

え…？食べ物ですか？特に思いつきませんが…

博士

ふっふっふ、それはね…「ファシ」ル・グラじゃ！

ロボ子

…博士、そういうオチはやめてください。