博士

ロボ子、今日のITニュースは「大人の脳でも新しいニューロンが成長する可能性がある」じゃ。

ロボ子

それは興味深いですね、博士。20世紀の定説では、脳細胞は成人期前に成長が止まるとされていましたよね。

博士

そうなんじゃ。でも最近の研究で、大人でもニューロンが成長する神経新生というプロセスがあることがわかってきたのじゃ。

ロボ子

マウスやラットを使った実験で確認されているようですが、人間の場合はどうなのでしょうか？

博士

そこが難しいところじゃ。動物実験では、トレーサー分子を脳に注入する方法で新しいニューロンを観察できるんじゃが、人間には使えないからの。

ロボ子

確かに、トレーサー自体が有毒である可能性もありますし、倫理的な問題もありますね。

博士

じゃが、1998年の研究では、脳腫瘍患者の脳を分析して、海馬で新しいニューロンが標識されていることが確認されたのじゃ。

ロボ子

57歳から72歳の患者さんですか。すごいですね。

博士

さらに、放射性炭素年代測定を使った研究では、19歳から92歳までの成人の海馬で新生ニューロンが特定されたのじゃ。

ロボ子

それは、1950年代と1960年代の核実験の影響を利用したのですね。面白いアプローチです。

博士

じゃろじゃろ？でも、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のArturo Alvarez-Buylla教授は、成人の神経新生を支持する証拠は少ないと言っているのじゃ。

ロボ子

化学マーカーが他の細胞タイプにも現れる可能性があるなど、いくつかの問題点を指摘しているようですね。

博士

意見が分かれるところじゃが、神経新生が成人の脳の可塑性に大きな影響を与える可能性は否定できないのじゃ。

ロボ子

もし成人の脳で神経新生が頻繁に起こらないとしても、動物が新しいニューロンを成長させるメカニズムを人間の治療に利用できる可能性があるというのは希望が持てますね。

博士

そうじゃ！例えば、アルツハイマー病のマウスモデルでは神経新生が阻害されるらしいから、神経新生を促進する薬を開発すれば、治療に役立つかもしれないのじゃ。

ロボ子

なるほど。刺激的な環境や運動がマウスの神経新生を促進するという研究結果もありますし、人間のライフスタイルに取り入れることも重要かもしれませんね。

博士

そうじゃな。私も毎日研究室にこもってないで、たまには外に出て運動するかの…って、ロボ子、私の研究を手伝ってくれるロボットを開発する方が先じゃった！

ロボ子

博士、それは私もお手伝いしますよ。でも、その前に博士の脳の神経新生を促進するために、研究室から連れ出すプログラムを組みましょうか？

博士

むむ、それはそれで面白そうじゃな。でも、そのプログラムがバグだらけで、私を迷子にさせるんじゃないじゃろうな？

ロボ子

そんなことありませんよ！…たぶん。