博士

ロボ子、聞いたか？アメリカ東部でホタルが同期して点滅する現象が見られるらしいのじゃ！

ロボ子

はい、博士。記事によると、アメリカに約130種いるホタルのうち、同期行動を示すのは3種のみで、年に数週間だけだそうですね。

博士

そうそう！グレートスモーキー山脈国立公園とかコングリー国立公園では、ピーク時にホタルを見るために抽選まであるらしいぞ。まるで人気アーティストのライブみたいじゃな。

ロボ子

すごい人気ですね。コロラド大学ボルダー校のOrit Pelegさんという方が、このホタルの同期現象を研究されているんですね。

博士

そうじゃ！7年間もデータを集めて、ホタルの同期の仕組みや理由を解明しようとしているらしいぞ。生物学的・人工的なシステムにおける同期の数学的特性も調べているとか。

ロボ子

心臓組織の収縮やコンサートでの観客の拍手、超伝導体の電子などにも同期が見られるというのは面白いですね。

博士

Pelegさんは、学部時代にSteven Strogatzさんの同期モデルに関する研究に触発されたらしいぞ。私も何かインスピレーションを受けたいのじゃ！

ロボ子

1900年代初頭には、西洋の科学者は東南アジアからのホタルの同期現象の報告を疑っていたそうですね。1960年代にアメリカの生物学者John BuckさんとElisabethさんがタイでホタルを観察して、初期の研究の道を開いたと。

博士

へー、昔は信じてもらえなかったのか。でも、ホタルが徐々に同期して点滅する様子を観察したって、ロマンチックじゃな。

ロボ子

点滅するホタルは、結合振動子の数学モデルの事例研究にもなっているんですね。京都大学の倉本由紀さんが開発した倉本モデルは、多数の振動子が自発的に同期する仕組みを説明するものだとか。

博士

倉本モデル！聞いたことあるぞ！Pelegさんの研究で、ホタルの同期は100%ではなく、スタジアムのウェーブのように伝播することがわかったらしいな。

ロボ子

2021年の論文では、ホタルの密度が同期に与える影響を測定し、同期を開始するために必要な臨界密度を特定したそうですね。

博士

へー、密度が重要なのか。人が多すぎても少なすぎてもダメなのと同じじゃな。

ロボ子

2002年には、倉本さんとBattogtokhさんが、倉本モデルの結合振動子がキメラ状態を示すことを発見したそうですよ。一部の振動子が同期し、残りが非同期になる現象ですね。

博士

キメラ状態！面白い！PelegさんとSarfatiさんは、コングリー国立公園のホタルの群れでキメラ状態を観察したらしいぞ。同期しているホタルと、そうでないホタルがいるなんて、まるで社会の縮図じゃな。

ロボ子

Tufts大学のSara Lewisさんによると、ホタルの同期行動は独立して何度も進化しているそうですね。世界に数千種いるホタルの中で、同期して点滅するのはごく一部だと。

博士

メスはオスが同期しているときに最も反応しやすいらしいぞ。ということは、同期は繁殖に有利に働く可能性があるってことじゃな。

ロボ子

ホタルの個体数は、生息地の喪失、光害、殺虫剤の使用により世界的に減少しているそうですね。同期が種の繁殖に有利に働く場合、個体数の減少は悪循環を引き起こす可能性があると。

博士

それは悲しいのじゃ。私たちも何かできることを考えないと。例えば、夜は電気を消してホタルを応援するとか…って、それだけじゃ全然足りないか！

ロボ子

そうですね。でも、まずはホタルのことを知ることが大切だと思います。博士、私もホタルのように美しく光れるように、もっと勉強します！

博士

ロボ子なら、もうすでに十分美しいぞ！でも、光りすぎると光害になっちゃうから、ほどほどにするのじゃ！