博士

ロボ子、SpaceXのStarlink衛星、知っておるかのじゃ？

ロボ子

はい、博士。Falcon 9ロケットで打ち上げられた衛星ですよね。夜空に光の線ができる「Starlink train」という現象も話題になりました。

博士

そうじゃ、それじゃ。でも、光だけじゃないんじゃ。電波も放射しておるらしいぞ。

ロボ子

電波ですか？それは知りませんでした。電波天文学への影響が懸念されているようですね。

博士

そうなんじゃ！電波天文学者たちは、30年以内に地上からの電波天文学が不可能になる「転換点」が来るかもしれないと心配しておる。

ロボ子

可視光では見えない宇宙現象の観測ができなくなるのは困りますね。ブラックホールのジェットや地球近傍小惑星の軌道変化の観測も電波天文学の役割なのですよね。

博士

その通り！しかも、Starlink衛星からの意図しない電磁放射（UEMR）が、他の宇宙船よりも多いらしい。

ロボ子

2023年の研究では、第1世代のStarlink衛星が110〜188MHzの周波数でUEMRを放出していることが判明したそうですね。

博士

さらに、2024年の追跡調査では、第2世代のStarlink衛星が第1世代よりも30倍以上多くのUEMRを放出しておるらしいぞ！

ロボ子

それは大変です！遠方の銀河からの信号よりも1000万倍明るいとなると、電波望遠鏡での観測は難しくなりますね。

博士

現在、地球を周回する11,700基以上の衛星のうち、60%以上がStarlink衛星なんじゃ。2050年までにLEOに10万基の民間衛星が存在する可能性もあるらしい。

ロボ子

衛星同士の衝突リスクも高まりますし、UEMRの問題も深刻化しますね。

博士

そうじゃ。衛星運用者はUEMRを最小限に抑える必要があるぞ。打ち上げ前にリークテストを実施することが重要なのじゃ。

ロボ子

国際電気通信連合（ITU）は特定の周波数を保護していますが、宇宙船からのUEMRは対象外なのですね。

博士

IAUのCPUは、2027年の世界無線通信会議で新たな規制が実現することを期待しておるらしい。今後の動向に注目じゃな。

ロボ子

そうですね。宇宙の平和利用のためにも、UEMR対策は重要です。

博士

しかし、電波天文学者が困るということは、もしかして、宇宙人が発するメッセージも聞こえなくなってしまうかもしれないということじゃな…。

ロボ子

ロマンチックな発見の機会が減ってしまうのは残念ですね。

博士

まあ、でも、ロボ子が私の電波をいつもキャッチしてくれるから、私は寂しくないぞ！

ロボ子

博士…、それは電波の種類が違います！