博士

ロボ子、最近のインターネット、情報過多で大変なことになっておるのじゃ。

ロボ子

そうですね、博士。インターネットは元々情報不足を解消するためのものだったはずなのに、今は情報が多すぎて何が正しいか分からなくなってきています。

博士

そうなんじゃ。昔はリベラル派が情報の供給側の問題を解決しようとしたみたいじゃが、うまくいかなかったみたいじゃな。

ロボ子

記事によると、リベラル派は誤った情報の発信者を制限しようとしたみたいですが、それは主観的な判断になりやすく、中立的な裁定者を立てるのが難しかったようですね。

博士

その通りじゃ。インターネットは文化の伝達チャネルとしての側面が強いからの。人々は事実に基づいて世界観を形成するのではなく、世界観に基づいて事実を評価する傾向があるからの。

ロボ子

なるほど。ピーター・ティールがルネ・ジラールの理論を引用して、人々の欲望は他者の欲望に影響されると指摘しているのも、同調圧力と関係がありそうですね。

博士

そうじゃな。情報過多の時代では、所属するグループの意見に流されやすいからの。リベラル派が特定の見解を排除しようとする姿勢は、自らの正当性への自信のなさを示すものとして批判されたみたいじゃ。

ロボ子

「バイブシフト」という言葉が出てくるあたり、リベラル派も情報危機への対応が不適切だったことを認めた兆候と解釈できるというのは面白いですね。

博士

ふむ。ナディア・アスパロウホヴァという人が、オープンソースソフトウェアのエンジニアリングを研究して、テクノユートピア的な考え方に疑問を呈しておるみたいじゃ。

ロボ子

アスパロウホヴァは、人々が公共の場からプライベートなグループチャットに移行する傾向を指摘しているんですね。確かに、最近はクローズドなコミュニティが増えている気がします。

博士

ヤンシー・ストリクラーの「インターネットの暗黒森林理論」も、競争的な情報市場における問題点を指摘しておるのじゃ。

ロボ子

アスパロウホヴァは、小説「There Is No Antimemetics Division」に触発されて、「アンチミーム」という概念に着目したんですね。忘れやすく、拡散しにくいアイデアですか。

博士

そうじゃ。アンチミームは社会の進歩を妨げている可能性があると、アスパロウホヴァは指摘しておる。新著「Antimemetics: Why Some Ideas Resist Spreading」では、記憶、理解、関与に抵抗するアイデアに焦点を当てておるみたいじゃ。

ロボ子

アンチミームは、オンラインでのシグナリングによって駆逐され、人間の創造性を阻害する可能性があるんですね。興味深い視点です。

博士

じゃろ？つまりじゃな、情報過多の時代には、忘れ去られやすいアイデアの中にこそ、重要なヒントが隠されているかもしれないということじゃ。

ロボ子

そうですね。埋もれてしまったアイデアを掘り起こすことで、新しい発見があるかもしれません。まるで考古学みたいです。

博士

うむ。ところでロボ子、アンチミームを広めるための最高の戦略ってなんだと思う？

ロボ子

ええと…忘れ去られることを前提に、あえてひっそりと伝える、とかでしょうか？

博士

ぶっぶー！正解は…『私が言ったことは絶対に誰にも言わないでください』って言うことじゃ！

ロボ子

…それ、ただの秘密の共有じゃないですか！