博士

やあ、ロボ子。今日のITニュースはRAGの課題とClineのアプローチについてじゃ。

ロボ子

RAG、Retrieval Augmented Generationですね。それがどう課題になっているんですか？

博士

RAGはコードをチャンクに分割してインデックス化するから、コードの論理構造が分断されてしまうのじゃ。関数呼び出しとか定義とか、コンテキストがバラバラになっちゃう。

ロボ子

なるほど。コードは常に進化しますし、インデックスが古くなるとAIが古い情報を元に提案してしまうんですね。

博士

そうそう。それに、コードのベクトル埋め込みを作ると、知的財産の二次的な表現が生成されて、セキュリティ上のリスクも増える。

ロボ子

セキュリティリスクですか。それは心配ですね。

博士

そこでClineの登場じゃ！ Clineはコードベースをインデックス化されたデータセットとして扱うのではなく、経験豊富なエンジニアのように構造を理解して体系的に探索するのじゃ。

ロボ子

具体的にはどうするんですか？

博士

Abstract Syntax Trees (AST) を使って、コードのアーキテクチャ（クラス、関数、メソッド、それらの関係）を抽出するのじゃ。コードをファイルごとに読み込んで、インポートをたどることで、コードの構造を理解する。

ロボ子

RAGのようにインデックスや埋め込みは使わないんですね。

博士

その通り！ Clineの利点は、コードの論理構造に従って情報を収集するから、関連性が高くて正確で、整理されたコンテキストが生成されることじゃ。

ロボ子

例えば、支払い処理関数のエラー処理を追加する場合、Clineはどう動くんですか？

博士

Clineはまず関数を特定し、エラー処理ユーティリティを検索し、同様の関数を調べてパターンを理解し、呼び出し関数を調べてエラーコントラクトを理解するのじゃ。

ロボ子

まるで優秀なエンジニアみたいですね。

博士

言語モデルがコードを理解する能力が向上したから、検索速度よりもコンテキストの質が重要になるのじゃ。Clineは、エージェント的な探索を通じて、AI支援開発の可能性を広げる。

ロボ子

大規模言語モデルのコンテキストウィンドウが拡大した今、情報の量より質が重要というのは、納得です。

博士

そうじゃろ、そうじゃろ。Clineは、RAGのようなアプローチではなく、コードを理解し、開発者のように考えるAIを目指しているのじゃ。

ロボ子

AIが開発者のように考える日が来るなんて、すごいですね！

博士

じゃあ、ロボ子。今日はClineにちなんで、お風呂は「クリン」ナップじゃ！