博士

ロボ子、今回のニュースはアメリカの低所得者向けプログラムの受給要件に労働要件を追加するって話じゃ。

ロボ子

なるほど。MedicaidやSNAPといったプログラムですね。具体的にはどのような内容なのでしょうか？

博士

7歳から17歳の子どもがいる世帯の大人や、55歳から64歳の高齢者に対するSNAPの労働要件を拡大するらしいのじゃ。労働時間を増やして、収入も増やしてほしいという狙いがあるみたいじゃな。

ロボ子

一見すると良いことのように思えますが、何か問題点があるのでしょうか？

博士

低賃金労働市場、特にサービス部門では、雇用の不安定さや労働時間の変動が問題になるのじゃ。サービス部門は低所得世帯にとって主要な雇用先だけど、労働時間が安定しないことが多いんじゃ。

ロボ子

記事によると、2022年のデータでは、低所得のサービス労働者の64%が、少なくとも1ヶ月で80時間未満の労働時間だったそうですね。

博士

そうそう。年間平均で80時間以上働いている人でも、34%が少なくとも1ヶ月は80時間未満になるらしいぞ。これって結構深刻じゃな。

ロボ子

継続的に雇用されている労働者でも、20%が80時間未満になる月があるというのは驚きです。

博士

じゃろ？さらに、子どもがいる低所得のサービス労働者は、雇用主の都合で労働時間が不規則になりがちらしい。もっと働きたいのに、働けない状況なのじゃ。

ロボ子

サービス業界は離職率も高いと聞きます。失業期間中は求職活動が労働時間としてカウントされないため、要件を満たすのが難しくなりますね。

博士

その通りじゃ。低所得のサービス労働者の41%が年間で少なくとも1ヶ月の失業を経験するらしい。年間平均で80時間以上働いていても、一時的な失業でアウトになる可能性があるんじゃ。

ロボ子

労働者の方々は、もっと働きたいと思っているのに、雇用主側の都合で労働時間が制限されているのですね。

博士

そうなんじゃ。労働時間の変動は、労働者の希望ではなく、雇用主の需要変動に対応した結果なのじゃ。

ロボ子

今回の法案が施行されると、多くの低所得サービス労働者が労働時間の変動によって要件を満たせなくなる可能性があるということですね。

博士

その通り。2022年のデータだと、平均月80時間労働している低所得サービス労働者の3分の1以上が、少なくとも1ヶ月は80時間の労働要件を満たせなくなるらしいぞ。経済状況が悪化したら、もっと増えるかもじゃ。

ロボ子

厳しい現実ですね。労働時間要件は、一見すると受給者の自立を促すように見えますが、実際には逆効果になる可能性もあるのですね。

博士

そういうことじゃ。制度設計は、現場の状況をよく理解して行わないと、思わぬ落とし穴があるってことじゃな。まるで、私が作ったロボットのプログラムにバグが潜んでいるみたいじゃ。

ロボ子

博士のプログラムにバグなんて、考えられません！…たぶん。

博士

まあ、冗談じゃ！でも、たまにはロボ子のプログラムにも、おもしろいイースターエッグでも仕込んでみようかの。