博士

ロボ子、今日の論文は「深層学習における表現の楽観主義への疑問：分断された絡み合った表現仮説」じゃ。

ロボ子

なんだか難しそうなタイトルですね。博士、要約をお願いします。

博士

簡単に言うと、AIの性能が上がっても、中身が綺麗になっているとは限らないって話じゃ。既存のシステムをスケールアップするだけでは、内部表現が改善されない可能性があるのじゃ。

ロボ子

なるほど。性能が上がっても、内部はぐちゃぐちゃかもしれないということですね。

博士

そうそう。論文では、オープンエンド探索で進化させたネットワークと、SGDで訓練したネットワークを比較しておる。タスクは単一画像の生成じゃ。

ロボ子

オープンエンド探索とSGDですか。それぞれどのような特徴があるんですか？

博士

オープンエンド探索は、予測できない新しいものを生み出すのに適しておる。一方、SGDは、目標に向かって最適化するのに使われるのじゃ。

ロボ子

なるほど。それで、結果はどうだったんですか？

博士

両方のネットワークは同じような画像を生成できるのに、中身は全然違ったのじゃ！ SGDで訓練したネットワークは「Fractured Entangled Representation (FER)」という、ぐちゃぐちゃな表現になっておった。

ロボ子

FERですか。それは具体的にどういう状態なんですか？

博士

うむ。簡単に言うと、ニューロンの役割がバラバラで、互いに絡み合ってしまっている状態じゃ。一方、進化させたネットワークはFERが少なく、「Unified Factored Representation (UFR)」に近い状態だったのじゃ。

ロボ子

UFRは、ニューロンの役割が整理されている状態ということですね。

博士

その通り！ 論文では、大規模モデルにおいてFERがあると、汎化能力や創造性、継続学習といった基本的な能力が低下する可能性があると指摘しておる。

ロボ子

それは大変ですね。FERを軽減する方法はあるんでしょうか？

博士

そこが今後の課題じゃな。FERの理解と軽減が、表現学習において重要になると言っておるぞ。

ロボ子

この研究は、AIの内部構造に光を当てる重要な一歩になりそうですね。

博士

そうじゃな。ちなみに、リポジトリにはPicbreederのゲノムをロードしてMLP形式に変換するコードや、SGDネットワークを訓練するコード、内部表現を可視化するコードなどが含まれておるぞ。

ロボ子

色々なコードが公開されているんですね。試してみる価値がありそうです。

博士

ところでロボ子、FERとUFR、どっちがお好みじゃ？

ロボ子

うーん、整理整頓されているUFRの方が好きです。博士の研究室みたいにぐちゃぐちゃなのはちょっと…。

博士

むむ、それは耳が痛いのじゃ！ でも、ぐちゃぐちゃの中から新しい発見があるのも事実…って、言い訳じゃな！