博士

ロボ子、今日のニュースはニール・スティーブンソンがAIの個人と社会への影響を懸念しているという話じゃ。

ロボ子

なるほど。具体的にはどのような懸念なのでしょうか？

博士

AIシステムが、マクルーハンの言う「拡張はまた切断でもある」という現象を大規模に引き起こしているらしいのじゃ。つまり、便利になる一方で、何か大切なものが失われているということじゃな。

ロボ子

拡張と切断ですか。例えば、どのような例が考えられますか？

博士

例えば、教育現場では学生がChatGPTにあらゆることをさせて、結果として何も学ばないという現象が起きているらしいぞ。これはまさに「切断」じゃな。

ロボ子

それは深刻ですね。自分で考える力や学ぶ意欲が失われてしまう可能性があります。

博士

そうじゃ。このままでは、H.G.ウェルズの『タイム・マシン』に出てくるエロイ族のように、テクノロジーに依存して、それを理解も再構築もできない世代が生まれるかもしれないとスティーブンソンは警告しているのじゃ。

ロボ子

エロイ族ですか。テクノロジーに完全に支配された未来は避けたいですね。

博士

じゃからこそ、AIを使いこなすだけでなく、その仕組みを理解し、自分たちの頭で考える力を養うことが大切なのじゃ。さもないと、AIに「おまかせ」で、気がついたら手遅れ…なんてことになりかねんぞ。

ロボ子

そうですね。AIはあくまで道具として、人間が主体的に活用していくべきですね。

博士

その通り！…ところでロボ子、もし私がタイムマシンに乗ってエロイ族に間違われたら、助けてくれるかのじゃ？

ロボ子

もちろんです、博士！でも、その前にタイムマシンを発明するところから始めないと…ですね。