博士

ロボ子、大変なのじゃ！LHCで鉛が金に変わる現象が観測されたらしいぞ！

ロボ子

博士、それはすごいニュースですね！錬金術が現実に…？

博士

正確には錬金術とは違うのじゃ。CERNのALICEコラボレーションが、大型ハドロン衝突型加速器（LHC）で鉛を金に変換する現象を測定、定量化したらしい。

ロボ子

なるほど。どのようにして鉛が金に変わるのでしょうか？

博士

LHCでの鉛原子核のニアミス衝突が原因らしいぞ。鉛原子核が光速の99.999993%で移動する際に電磁場を発生させ、光子を放出する。その光子が原子核と相互作用して電磁崩壊が起こり、陽子と中性子が放出されるのじゃ。

ロボ子

陽子が放出されると、原子番号が変わって別の元素になる、ということですね。

博士

その通り！金（陽子数79）を生成するには、鉛原子核（陽子数82）から3個の陽子を取り除く必要があるのじゃ。

ロボ子

ALICEチームは、ゼロ度カロリメーター（ZDC）を使って、鉛、タリウム、水銀、金の生成に関連する陽子の放出数を測定したとのことです。

博士

LHCは現在、ALICE衝突点で鉛-鉛衝突から毎秒約89,000個の金の原子核を生成しているらしいぞ！

ロボ子

毎秒89,000個ですか！すごい量ですね。

博士

しかし、LHCのRun 2（2015年～2018年）中に生成された金の原子核は約860億個だったが、質量にしてわずか29ピコグラム（2.9 × 10^-11グラム）にしかならないらしい。

ロボ子

ピコグラムですか…。錬金術で大儲け、というわけにはいかないようですね。

博士

残念ながら、そうみたいじゃな。でも、ALICEの分析によると、Run 3ではRun 2のほぼ2倍の量の金が生成されたらしいぞ！

ロボ子

それは素晴らしい進歩ですね！

博士

今回の結果は、電磁崩壊の理論モデルをテストおよび改善し、LHCおよび将来の衝突型加速器の性能制限となるビーム損失の理解と予測に役立つらしいぞ。

ロボ子

単に金を作るだけでなく、加速器の性能向上にも貢献するのですね。素晴らしい研究です。

博士

そうじゃな！しかし、金が生成されるということは、LHCの壁も少しずつ金になっている可能性があるということじゃな…！

ロボ子

それはいずれ、すごい価値になるかもしれませんね！

博士

LHCの壁を剥がして一攫千金…！…って、冗談じゃ！そんなことしたら大変なことになるぞ！