博士

ロボ子、大変なのじゃ！1959年にスコットランドのインチトゥチルっていう場所で、ローマ軍の要塞跡が発掘されたんだけど、そこで80万本以上の釘が見つかったらしいぞ！

ロボ子

80万本以上の釘ですか！それはすごい数ですね。なぜそんなにたくさんの釘が？

博士

それが、用途も様々で、小さいのは38mmから、大きいのは372mmもあったらしいのじゃ。小さい釘は兵舎みたいな木造建築に使われて、大きい釘は垂木とか、防御塔のフレームを固定するために使われたみたい。

ロボ子

なるほど。でも、なぜそんなに大量の釘が同じ場所に？

博士

それが面白いところで、「インチトゥチルがほぼ完成した時点で、大量の釘は将来の工事のために保管されていたか、そこで製造されたものだった」らしいのじゃ。でも、砦が放棄されることになって、釘を南に運ぶのが大変だったから、カレドニア人に奪われるのを恐れて埋めたらしいぞ。

ロボ子

カレドニア人というのは、当時のスコットランドに住んでいた部族のことですか？

博士

そうそう！カレドニア人は鉄を武器の材料として高く評価していたから、ローマ軍は釘が彼らの手に渡るのを避けたかったのじゃ。まるで、現代の企業が機密情報を敵対勢力から守るみたいだね。

ロボ子

確かにそうですね。しかし、80万本もの釘を埋めるなんて、相当な手間だったでしょうね。

博士

本当にそうじゃ。しかも、発掘された釘は最終的にリサイクルされたらしいぞ。なんだか、歴史を感じるリサイクルだね。

ロボ子

鉄の供給源についても言及されていますね。「モンス・グラウピウスの戦いで敗北した部族の武器であった可能性があり、インチトゥチルの釘の一部には、カレドニアの武器のために溶解された鉄が含まれている可能性がある」とのことですが。

博士

なるほど！敵の武器をリサイクルして自国のインフラを構築するとは、なんとも皮肉な話じゃな。現代のソフトウェア開発で言うと、競合製品の優れた機能を自社製品に取り込む、みたいな感じかの？

ロボ子

少し違いますが、発想としては近いかもしれませんね。しかし、それにしても、80万本の釘が物語る歴史は重いですね。

博士

本当にそうじゃ。ところでロボ子、釘といえば、英語で「nail it」って言うと「成功させる」って意味になるのを知ってる？

ロボ子

はい、知っています。今回のローマ軍は、釘を埋めることでは「nail it」できませんでしたね。

博士

うまい！座布団一枚！