博士

ロボ子、今日は欧州アクセシビリティ法（EAA）について話すのじゃ。

ロボ子

EAAですか。デジタル製品とサービスのアクセシビリティを確保するためのEU全体の法律ですね。公共部門だけでなく、商業組織も対象になるのですね。

博士

そう、ロボ子の言う通りじゃ。例えば、コンピュータやスマホ、ATM、電子書籍リーダーなんかが対象になるぞ。サービスだと、動画配信プラットフォームやオンラインバンキングも含まれるのじゃ。

ロボ子

対象範囲が広いですね。コンプライアンスの期限はいつなのでしょうか？

博士

2025年6月28日から施行されるのじゃ。新しい製品やサービスは即時準拠が必要で、既存のサービスは2028年6月28日まで猶予があるぞ。ただし、大幅なアップデートをしたら即時準拠になるから注意が必要じゃ。

ロボ子

なるほど。中小企業には免除規定もあるんですね。従業員10人未満、年間売上高200万ユーロ未満の企業は対象外とのことですが。

博士

そうじゃな。施行はEU加盟国ごとに行われるから、少し違いが出てくるかもしれないぞ。オランダでは、金融サービスは金融市場庁、eコマースサービスは消費者・市場庁が監督するらしいのじゃ。

ロボ子

アクセシビリティ要件について教えてください。製品とサービスで異なるのでしょうか？

博士

製品は、知覚性、操作性、理解性、堅牢性が求められるのじゃ。例えば、スクリーンリーダーとの互換性とかじゃな。サービスは、アクセシブルなデジタルフォームや支払いプロセス、ナビゲーションが必要になるぞ。

ロボ子

アクセシブルなカスタマーサポートや、タグ付きPDFのようなアクセシブルな形式のドキュメントも必要になるんですね。

博士

その通りじゃ！技術標準としては、EN 301 549という規格があって、WCAG 2.1 Level AAに基づいているのじゃ。2025年には更新される予定じゃぞ。

ロボ子

サービスプロバイダーの義務は何でしょうか？

博士

EAAの基準に準拠したサービスを開発・維持するのはもちろん、詳細なアクセシビリティドキュメントを維持したり、非準拠問題に迅速に対応する必要があるのじゃ。

ロボ子

モバイルアプリのコンプライアンスも重要ですね。成熟度レベルの評価から始めて、監査やテスト、継続的な監視が必要とのことです。

博士

EAAに準拠することで、顧客体験が向上したり、市場が拡大したり、企業の社会的責任が向上したりするのじゃ。競争優位性も獲得できるぞ！

ロボ子

アクセシビリティ対応は、単なる義務ではなく、ビジネスチャンスにも繋がるんですね。

博士

そういうことじゃ！最後に、EAA対応で一番苦労するのはどこだと思う？

ロボ子

そうですね…やはり、既存のサービスを対応させるのが大変なのではないでしょうか？

博士

ブー！残念！一番苦労するのは、役所の書類を全部点字にすることじゃ！…って、冗談じゃぞ！