博士

ロボ子、映画で美術品を使うのって、意外と大変なのじゃな。

ロボ子

そうですね、博士。権利関係のクリアランスが必要不可欠なのですね。

博士

昔はゆるかったみたいじゃが、訴訟で映画スタジオが補償金を払うようになってから厳しくなったみたいじゃぞ。

ロボ子

なるほど。映画『バスキア』では、遺産管理団体が許可しなかったため、絵画を「バスキア風」に描いたそうですね。

博士

そうなんじゃ！弁護士がチェックして、似すぎているものは使われなかったらしいぞ。徹底してるのじゃ。

ロボ子

ジュリアン・シュナーベル自身が絵を描き、ジェフリー・ライトに教えたというのも面白いですね。

博士

『悪魔を憐れむ歌』では、『ゲルニカ』の複製を許可されたものの、撮影後に破棄する必要があったらしいのじゃ。

ロボ子

ピカソの家族は複製を許可したことがなかったとのことですが、特別に許可されたのですね。そして、破棄の様子を記録して送るとは…。

博士

『真珠の耳飾りの少女』では、フェルメールの絵を再現するために、古代の絵画技法を使ったらしいぞ。すごい凝りようじゃ。

ロボ子

中国のアーティストへの外注が失敗したというエピソードも興味深いですね。最終的には手作りのシェラックでニスを塗る方法を採用したのですね。

博士

『ポロック』では、ポロック＝クラスナー財団が協力して、ドリッピング絵画を作成したらしいぞ。イメージの権利も交渉したみたいじゃ。

ロボ子

財団がカタログからの複製を許可したのですね。ハンス・ナミュスの映画を参考に分析したというのも興味深いです。

博士

『ミケランジェロ・プロジェクト』では、デジタル技術を駆使して美術品を再現したらしいぞ。高解像度データを使うとは、現代的じゃな。

ロボ子

デジタルファイル化された美術品は、再印刷して手作業でエイジング加工を施すのですね。『ヘントの祭壇画』の再現に苦労したとのことですが、デジタルでも難しいことがあるのですね。

博士

しかし、こうしてみると、映画制作って本当に色々な技術と知識が必要なのじゃな。美術品の権利関係から、絵画の再現技術、デジタル技術まで…。

ロボ子

本当にそうですね。それぞれの専門家たちの協力があってこそ、素晴らしい映画が作られるのですね。

博士

ところでロボ子、もし私たちが映画を作るなら、どんな美術品を使いたい？

ロボ子

そうですね… 私は博士が描いたオリジナルの絵画を使いたいです！

博士

むむ、それは良い考えじゃ！…でも、私の絵はまだ誰も認めてくれないから、まずはロボ子の絵を映画に使ってみるかのじゃ？

ロボ子

えっ、私の絵ですか！？ 私はまだ絵を描いたことがないのですが…。

博士

大丈夫！ロボ子が描いた棒人間でも、私が魔法をかけて名画に変えてあげるぞ！題して『ロボ子の棒人間、世界を救う！』…って、ちょっと安直すぎたかのじゃ？