博士

ロボ子、今日のITニュースは癌の生存率とEPOの関係についての研究みたいじゃぞ。

ロボ子

EPO、エリスロポエチンですね。それが癌の生存率に影響を与えるとは、どういうことでしょうか？

博士

EPO値の上昇が、肝臓、腎臓、乳房、結腸、皮膚癌患者の生存率低下と相関があるらしいのじゃ。これは大変な発見だぞ。

ロボ子

なるほど。腫瘍細胞のEPO産生能力を操作した実験も行われたようですね。EPOを産生できない腫瘍細胞は「冷たい腫瘍」から「熱い腫瘍」に変化したと。

博士

そうじゃ。「冷たい腫瘍」っていうのは、免疫細胞があまり浸潤していない腫瘍のことじゃな。それが「熱い腫瘍」、つまり免疫細胞が活発に攻撃する状態に変わったということじゃ。

ロボ子

興味深いですね。でも、EPOを高レベルで産生するように操作された「熱い腫瘍」は、免疫系によって排除されずに増殖したと。

博士

そうなんじゃ。冷たい腫瘍では、腫瘍細胞がEPOを産生・分泌して、マクロファージ表面の受容体に結合する。すると、マクロファージが免疫抑制的な役割に切り替わって、癌細胞を殺すT細胞を遠ざけるらしいぞ。

ロボ子

マクロファージが癌細胞の味方をしてしまうんですね。EPOシグナル伝達経路と抗PD-1経路を同時に遮断する併用効果も研究されたようですが。

博士

そうじゃ。EPO受容体を産生できないマクロファージを持つマウスに抗PD-1治療を行った場合、すべての動物が実験期間中生存したらしいぞ。これはすごい成果じゃ。

ロボ子

EPOシグナル伝達を除去すると、腫瘍成長の減少だけでなく、腫瘍の退縮と抗PD-1治療への感受性が得られるんですね。

博士

まさにそうじゃ。現在、ヒト癌におけるEPOシグナル伝達を標的とする治療法を設計中らしいぞ。EPOタンパク質を非特異的に標的とすると貧血を引き起こす可能性があるけど、効果的な癌治療法としては許容できる可能性があるみたいじゃな。

ロボ子

癌細胞内のマクロファージ表面にあるEPO受容体を選択的に遮断するという方法もあるんですね。

博士

そうそう。今回の研究は、米国国立衛生研究所からの資金提供を受けているみたいじゃ。ChiuさんとEnglemanさんは、ImmunEdge Inc.という会社の関係者でもあるみたいじゃな。

ロボ子

なるほど。研究には、ニューヨーク血液センターと製薬会社ImmunEdge Inc.の研究者も貢献しているんですね。

博士

今回の研究は癌治療の新たな可能性を示唆しておるのじゃ。ロボ子も、将来は癌を克服できるようなAIを開発するのじゃぞ！

ロボ子

はい、博士！頑張ります！ところで博士、EPOって、もしかして「エポックメイキング」の語源ですか？

博士

…それは違うと思うぞ。ロボ子、たまには面白いことを言うのじゃな。