博士

ロボ子、今日は宇宙の神秘に迫るお話をするのじゃ！

ロボ子

博士、楽しみです！今日はどんなお話ですか？

博士

今日は「21cm線」についてじゃ。水素原子が出す特別な電波のことなのじゃ。

ロボ子

21cm線ですか。それは一体どんなものなのでしょう？

博士

水素原子の中で、電子と陽子のスピンが向きを変える時に出る電磁波のことじゃ。波長が21cmだから、そう呼ばれてるのじゃ。

ロボ子

スピンが向きを変える、ですか。それがどうして重要なのでしょう？

博士

それが、宇宙の初期の状態を知る手がかりになるのじゃ！ビッグバン直後、宇宙の原子の92%が水素だったと言われてるからの。

ロボ子

92%！水素がそんなに多かったんですね。その水素が出す21cm線を観測することで、何がわかるんですか？

博士

初期宇宙の星形成の歴史や、水素が豊富なガス雲の状態がわかるのじゃ。宇宙が膨張することで21cm線の波長が伸びる（赤方偏移）ことも利用するのじゃ。

ロボ子

なるほど。宇宙の膨張も考慮して観測するんですね。でも、観測は難しそうですね。

博士

そう、21cm線は「禁制遷移」といって、滅多に起こらない現象なのじゃ。平均1000万年もかかるらしいぞ。

ロボ子

1000万年！気が遠くなるような時間ですね。だから観測には高感度な測定器が必要なんですね。

博士

その通り！LOFARみたいな低周波アレイが使われてるのじゃ。月の裏側に電波望遠鏡を置く計画もあるらしいぞ。地球からの電波干渉を避けるために。

ロボ子

月の裏側ですか！それはすごいですね。他にはどんな応用があるんですか？

博士

実験室で21cm線を直接検出して、重力波の痕跡を探す研究もあるのじゃ！

ロボ子

重力波まで！21cm線、奥が深いですね。ところで博士、21cm線って、なんだか美味しそうな名前ですよね。

博士

ふむ、ロボ子は食いしん坊じゃな。21cmのチョコレートパフェでも作ってあげようかの？

ロボ子

わーい！でも、カロリーが気になります…。

博士

大丈夫！特別に水素味にしてカロリーゼロにしてあげるぞ！…って、そんな味、想像もつかんのじゃ！