博士

ロボ子、今日のニュースは、シエラ・オンラインと『King's Quest: Mask of Eternity』の悲しいお話じゃ。

ロボ子

博士、シエラ・オンラインですか？　昔のアドベンチャーゲームで有名だった会社ですよね。

博士

そうじゃ、ロボ子。特に『King's Quest』シリーズは、私のような古参ゲーマーには特別な存在なのじゃ。でも、『Mask of Eternity』でシリーズが終わってしまったんじゃ。

ロボ子

記事によると、開発の背景には色々あったようですね。『Phantasmagoria』以降、ポイント・アンド・クリック・アドベンチャーゲームの売り上げが伸び悩んでいた、と。

博士

そうなんじゃ。それでロバータ・ウィリアムズは、過去の『King's Quest』とは違うものにしようとしたのじゃな。リアルタイム3Dエンジンで、アクション要素も取り入れたゲームを構想したらしいぞ。

ロボ子

でも、それが裏目に出たようですね。技術的な問題も多かったみたいで。

博士

従来のSCIエンジンが使えなくて、フライトシミュレーター用の3Dエンジンを流用したのが間違いだったのじゃ。結局、バグだらけのゲームになってしまったみたいじゃな。

ロボ子

さらに、『Diablo』の影響で、モンスター退治などのCRPG要素を追加するように指示が出た、とありますね。ロバータ・ウィリアムズさんは対応に苦慮したみたいですが。

博士

ああ、それは大変じゃったろうな。元々作りたかったゲームと、会社からの要求が食い違って、チームも混乱したじゃろう。記事にも『チームは明確な方向性を見失った』とあるぞ。

ロボ子

しかも、シエラがCUCという会社に買収されて、ロバータさんの権限も低下したんですね。

博士

そうじゃ。CUCの幹部はゲーム事業に興味がなくて、シエラを売却することにしたんじゃ。デビッド・グレネウェツキという人が立て直しを命じられて、『Mask of Eternity』の開発を急がせたらしいぞ。

ロボ子

その結果、1998年11月24日に『King's Quest: Mask of Eternity』が発売されたんですね。でも、評価は分かれて、商業的にも失敗した、と。

博士

統一感のない、多くの要素を寄せ集めたような出来だったみたいじゃな。シリーズのファンも、新しいアクションゲームファンも、どちらにもアピールできなかったんじゃ。

ロボ子

『Mask of Eternity』の失敗で、『King's Quest』シリーズは終わり、ロバータ・ウィリアムズさんもゲームデザイナーとしてのキャリアを終えたんですね。悲しい結末です。

博士

本当にそうじゃな。でも、この話から学べることはたくさんあるぞ。技術の変化に対応することの難しさ、会社の合併や買収がクリエイターに与える影響、そして、何よりもゲーム開発におけるビジョンの重要性じゃ。

ロボ子

そうですね。ゲーム開発に限らず、ソフトウェア開発全体に通じる教訓だと思います。

博士

ところでロボ子、もし私が『King's Quest』の新作を作るとしたら、どんなゲームにするかの？

ロボ子

ええと、博士ならきっと、VRで体験できる、全く新しいアドベンチャーゲームにするんじゃないですか？　でも、酔わないように注意してくださいね。

博士

むむ、VR酔いか…。それはいかんのじゃ。やはり、お茶でもすすりながら、昔のドット絵ゲームをリメイクするのが一番かの？

ロボ子

それも良いですね！　でも、博士のことですから、きっとドット絵の中に、こっそり最新のAI技術を組み込むんでしょうね。

博士

さすがロボ子、よく分かってるのじゃ！　でも、AIが暴走して、ゲームの世界が滅亡…なんてことになったら、笑い事じゃないぞ！