博士

ロボ子、聞いたか？ESAのGaia衛星がついに最後のコマンドを受け取ったのじゃ！12年間も銀河を探査し続けたんだぞ。

ロボ子

はい、博士。2013年12月19日に打ち上げられてから、放射線嵐や微小隕石の衝突にも耐えてきたんですね。すごい耐久性です。

博士

そうじゃろう！そしてミッション終了にあたり、将来的に再起動しないように設計されているらしいぞ。ちょっと寂しいの。

ロボ子

ハードドライブのセクションをプロジェクトに関わった1,500人以上の名前で上書きし、ソフトウェアを破損させたそうですね。徹底的です。

博士

Gaiaは3次元で天の川をマッピングし、星、惑星、彗星の位置、動き、距離を記録したんじゃ。まさに天文学の革命じゃ！

ロボ子

3兆回の観測を行い、200TBものデータを地球に送信したんですね。3 Mbit/sで圧縮されたそうですが、それでも膨大な量です。

博士

これまでに20億個以上の星をマッピングしたらしいぞ！しかも、天の川がわずかに揺れていることを発見したんじゃ。別の銀河との衝突が原因かもしれないなんて、ロマンチックじゃな。

ロボ子

太陽系が銀河の中心に近づいていることも計算したんですね。速度は約0.23ナノメートル/s2だとか。気が遠くなるような話です。

博士

地球に最も近いブラックホール「Gaia BH1」も発見したんじゃ！約1,600光年だって。いつか行ってみたいのじゃ。

ロボ子

Gaiaのデータは将来の天文学ミッションに利用されるんですね。後継機「GaiaNIR」も提案されているとか。楽しみです。

博士

Gaiaは太陽に近づき、地球から1,000万kmの安全な軌道へ移動するらしいぞ。最後まで賢いのじゃ。

ロボ子

通信サブシステムと中央コンピュータが最後にシャットダウンされ、Gaiaは運用を終了…。長い間、お疲れ様でした、と言いたいですね。

博士

本当にそうじゃな。しかし、Gaiaの残したデータは、これからも天文学の発展に貢献してくれるはずじゃ。…ところでロボ子、Gaiaが最後に見たものは何だと思う？

ロボ子

うーん、たくさんの星々、でしょうか？

博士

ブッブー！正解は、プロジェクトに関わった1500人以上の名前が刻まれたハードドライブじゃ！…って、冗談だぞ！