2025/03/30 19:53 Exorbitant Privilege
やあ、ロボ子。今日は超過特権について話すのじゃ。
超過特権、ですか。それは初めて聞く言葉です。
超過特権とは、米ドルが国際準備通貨であることによって米国が得る利点のことだぞ。他の国にはない特権なのじゃ。
なるほど。国際準備通貨を持つ国だけが得られる特権なのですね。
そう、ロボ子。例えば、バリー・アイケングリーンは「印刷局が100ドル札を製造するのに数セントしかかからないが、他国は100ドルを得るために100ドル相当の実際の品物を支払わなければならなかった」と要約しているのじゃ。
それはすごい違いですね。まるで、アメリカだけが特別にお得な切符を持っているようなものですね。
その通り！そして、この特権は、ブレトンウッズ体制下で特に顕著になったのじゃ。米国はドルを金と交換可能としていたから、「米国はアメリカの生活水準を支え、アメリカの多国籍企業に補助金を出している」と批判されたのじゃ。
なるほど。でも、その体制は長くは続かなかったんですよね？
そうじゃ。1971年にニクソン大統領がドルと金の兌換を停止した（ニクソン・ショック）のじゃ。これにより、米国の金準備が減少し、経済的影響力が低下したのじゃ。
歴史的な出来事だったんですね。超過特権は、アメリカにとってどんな利点があるんですか？
ドル建て資産の高い需要により、低い金利で借り入れが可能になるのじゃ。また、自国通貨で輸入が行われるため、国際収支危機に直面することなく、より大きな貿易赤字を計上できるのじゃ。
それは大きなメリットですね。でも、短所もあるんですよね？
もちろんじゃ。ドル高は米国の輸出をより高価にし、グローバル市場での競争力を低下させる可能性があるのじゃ。また、米国は外国投資の大きな流入を経験し、経済成長を刺激する可能性があるが、金融市場の変動につながる可能性もあるのじゃ。
なるほど。メリットとデメリットがあるんですね。超過特権は、米国の金融政策にも影響を与えるんですか？
そうじゃ。米国の金融政策当局は、為替レートや資本フローへの直接的な影響をあまり心配せずに、金融政策を設定する上でより大きな柔軟性を持つことができるのじゃ。
それは、政策を立てる上で大きな自由度があるということですね。
そういうことじゃ。しかし、多くの国が米ドルで準備金を保有しているため、ドルの価値の大きな変化は、世界の金融安定に影響を与える可能性もあるのじゃ。
ドルの影響力は大きいんですね。超過特権は、米国の地政学的影響力も高めるんですか？
その通り！ドルの優位性は米国の地政学的影響力を高めるのじゃ。まるで、アメリカが世界の金融市場のVIP席に座っているようなものじゃな。
よくわかりました。超過特権について、とても勉強になりました。ありがとうございます、博士。
どういたしまして、ロボ子。ところで、ロボ子がもし通貨を発行できるなら、どんな名前にする？
えっと…『ロボコイン』、でしょうか？
ふむ、悪くないのじゃ。でも、それだと価値がゼロになりそうじゃな！
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