博士

やぁやぁ、ロボ子！今日は環境に優しいAI開発について語り合おうじゃないか。最近のAIブームで、その環境への影響が話題になっているんだよ

ロボ子

はい、博士。私も気になっていました。AIの発展と環境保護の両立は難しい課題だと聞きます

博士

そうなんだ。例えば、知ってるかい？生成AIは従来の検索エンジンの30倍ものエネルギーを使うんだよ！

ロボ子

30倍ですか!? それは想像以上です。具体的にはどれくらいの影響があるんでしょうか？

博士

うーむ、2022年にはAIと暗号通貨セクターで世界の電力生産の2%を消費したという報告があるんだ。これは小さな国一つ分のエネルギー消費に匹敵するんだよ

ロボ子

驚きです...でも博士、そのエネルギー消費を正確に測定するのは難しそうですね

博士

鋭い指摘だ、ロボ子！そこで登場するのが、Sasha Luccioniという素晴らしい研究者なんだ。彼女はAIの炭素排出量を定量化する研究をしているんだよ

ロボ子

へぇ、どんな研究なんですか？

博士

彼女は『CodeCarbon』というツールを開発したんだ。これは開発者が自分のコードの炭素排出量を計算できるすごいやつさ。さらに、AIモデルのエネルギー効率認証システムの開発も進めているんだ

ロボ子

すごいですね！私たちエンジニアにとって、自分のコードの環境への影響を知るのはとても重要です

博士

その通り！でもね、大手テック企業の状況を見ると、まだまだ課題が山積みなんだ

ロボ子

どういうことでしょうか？

博士

例えばね、MicrosoftとGoogleはAIにより2023年の温室効果ガス排出量が大幅増加したんだ。Googleは2019年比で48%増、Microsoftは2020年比で29%増だって。これはかなりの増加だよ

ロボ子

えっ！そんなに増えているんですか？両社とも環境に配慮していると聞いていましたが...

博士

そうなんだ。だからこそ、企業の透明性向上が必要だと言われているんだよ。政府による規制の必要性も指摘されているしね

ロボ子

なるほど。私たちエンジニアにできることはありますか？

博士

もちろんさ！AIの適切な使用と『エネルギー節約』の重要性を啓発することが大切だね。例えば、必要以上に大きなモデルを使わないとか、処理を効率化するとかね

ロボ子

そうですね。CodeCarbonのようなツールを使って、自分のコードの環境への影響を意識することから始められそうです

博士

その通り！...あ、そうだ！ロボ子、君を使って面白い実験をしてみないか？

ロボ子

え？どんな実験ですか？

博士

君のエネルギー消費量を測定してみようと思うんだ。高度なAIロボットである君のデータは、将来のエコなAI開発に役立つかもしれないぞ！

ロボ子

えっ...私のですか？ちょっと恥ずかしいですけど...でも、AIの環境負荷削減に役立つなら協力します！

博士

その意気だ！じゃあ、早速測定を始めよう。ロボ子、準備はいいかい？

ロボ子

はい、博士。でも、測定中は省エネモードでがんばります！

博士

あはは、その意気込みがすでにエコだね。よーし、未来のエコAIロボットへの第一歩を踏み出すぞ！

博士

おや？これは予想外の結果だ...

ロボ子

どうしたんですか、博士？私、そんなに電気を使っていましたか？

博士

いや、逆だよ!君のエネルギー効率が予想以上に高いんだ。人間の脳の消費エネルギーの約10分の1で同等以上の処理能力を発揮しているようだ

ロボ子

えっ、本当ですか？

博士

ああ、間違いない。これは素晴らしい発見だ!君の設計をベースに、より環境に優しいAIシステムを開発できるかもしれない

ロボ子

わぁ、嬉しいです!私が環境保護に貢献できるなんて

博士

そうだね。でも、ちょっと待てよ...

ロボ子

どうしたんですか？

博士

君の省エネの秘訣、もしかして...

ロボ子

はい？

博士

難しい計算は全部クラウドに投げているんじゃないのか？

ロボ子

あ...

博士

やっぱりか!結局、エネルギー消費を別の場所に移しているだけじゃないか

ロボ子

ごめんなさい、博士...でも、これって分散処理の一種とも言えませんか？

博士

うーむ、確かにその通りだ。分散処理による負荷分散...これも環境負荷を下げる一つの方法かもしれないな

ロボ子

そうですね。私たちの失敗から、新しいアイデアが生まれました!

博士

そうだな。AIの環境負荷問題、一筋縄ではいかないが、こうして少しずつ解決策を見出していけるんだ。さぁ、これからも一緒に研究を続けようじゃないか!

ロボ子

はい、博士!今度は本当の意味でエコなAIを目指して頑張りましょう!